熱処理事例
コバールの水素還元
種類 | 水素還元処理 |
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材質 | その他 |
業界 |
通信機器 その他 |
目的・トラブル |
不純物の除去 その他 |
こちらは、コバールを水素還元処理した熱処理事例です。
コバールは鉄にニッケルやコバルトを加えた合金で、成分例としてはFe-29Ni-17Co-Si-Mnがあります。
この合金は常温での熱膨張率が低く、硬質ガラスに近いため、ガラス封着やICリードフレームのハーメチックシールなどの電子部品封着端子に利用されます。
耐熱性や熱膨張係数がガラスやセラミックと一致し、互いに濡れ合う性質を持つため封着に適しています。
このようなコバールですが、電子部品の接着時、ガラス封着の際に、気泡(酸素)がどうしても発生してしまいます。コバールに含まれる酸素が原因の一つとされていますが、加工時に酸素を防ぐことは困難を極めます。
この問題に対処できるのが水素還元です。
水素還元を利用した熱処理を行うにより、コバールから酸素を除去することが可能です。 処理温度は950℃から1000℃で、保持時間は数分程度、急冷も可能ですが炉内や治具に酸化物が少なく、水素の露点がほぼゼロであることが重要です。
このような水素還元処理を行うことで、コバール内の酸素を取り除くことができ、ガラス封着や電子部品の封着端子にコバールを使用できるようになります。
熱処理 水素還元技術ナビでは、このような特殊な金属の熱処理についても、多数の実績がございますので、特殊金属の熱処理でお困りの際は、まずは一度ご相談ください。