技術コラム
2025.05.12
- 技術提案
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【技術提案】純銅・ベリリウム銅・マンガニンを焼鈍し、加工精度を向上!
目次
今回の技術提案の要約
今回ご紹介するのは、純銅・ベリリウム銅・マンガニンを焼鈍処理することで、流通量が減ってきている焼鈍材を入手せずとも、求める硬度の上記素材を入手することができ、更に求める条件でオリジナルで処理を行っているため加工精度も向上した技術提案事例になります。
近年、焼鈍材は年々高騰し、更に各種銅の焼鈍材は入手がどんどん難しくなっています。求める硬度の焼鈍材を手に入れるために、高い金額で仕入れを行う、あるいは熱処理加工業者に依頼して処理を行ってもらう必要がありますが、鉄やステンレス以外の焼鈍処理ができる業者は数が限られています。
この事例のポイントはずばり、①銅の焼鈍処理を当社が行い、求める硬度を実現することで焼鈍材を提供できたこと、②銅は析出硬化処理や応力除去焼鈍を行うことが一般的ですが、シンプルな焼鈍を行うことで加工精度を向上させることができたことにあります。
非鉄(銅、真鍮、アルミ)は、ある一定の温度を超えると元の硬さに戻すことができない材質のため、正確な温度で熱処理を行う必要があります。このような非鉄系の正確性が求められる熱処理についても当社は得意としております。
下記ページでも「焼きなまし・焼鈍」について解説しておりますので、是非合わせてご確認ください!
>>「熱処理技術サービス:焼きなまし・焼鈍」について詳しくはこちら
Before:お困りごと

お客様は、純銅・ベリリウム銅・マンガニンの焼鈍材を元々鋼材商社から購入していましたが、流通量が減少し、求める硬度の焼鈍材が手に入らなくてお困りでいらっしゃいまた。
特に、マンガニンなどはそもそも流通量が少ないため、入手が困難でした。
各種銅はそのままでは加工が難しく難加工材に分類される材料です。そのため焼鈍を行い金属を柔らかくすることで、加工をしやすくする必要があります。
しかし、市場にはお探しの硬度での焼鈍材が手に入らず、お客様は頭を悩ませていらっしゃいました。
After:ご提案内容

熱処理・水素還元技術ナビでは、この問題を、各種銅をお客様の求める条件で焼鈍を処理を行うことで解決しました。
当社では各種銅の焼鈍ができるため、焼鈍材を購入しなくても、素材に対して焼鈍を行いますので、お客様が求める硬さを材料を手に入れることができます。
更に、銅素材についた油も水素中雰囲気中で焼鈍処理を行うことで、表面を合わせて綺麗な状態にすることができます。
銅は、析出硬化処理や応力除去焼鈍を行うことが一般的ですが、焼鈍を行うことで、求める硬度を実現することができ、加工精度を向上させることができます。
当社では、このように各種銅に対してお客様の求める硬度を実現する焼鈍処理を行うことで、お客様の抱えていた課題を解決することができました。
当社は研究開発案件を得意しており、少量対応が可能です。お客様に条件に合わせて処理を行いますので、お使いの材料が使いにくいなどありましたら、一度当社にご相談ください!
熱処理・水素還元技術ナビの各種銅の熱処理事例
熱処理・水素還元技術ナビでは今回の事例以外にも、銅の熱処理を行った実績が多数ございます。
熱処理・水素還元技術ナビが実際に行った銅の熱処理事例を以下でご紹介いたしますので、是非こちらも合わせて、ご覧ください!
熱処理事例①:銅ガスケットの焼きなまし(焼鈍)

こちらは、銅のガスケットを焼きなまし(焼鈍)をした熱処理事例です。
銅は貴金属の中でも最も使用されている非鉄金属です。特に耐熱性、加工精度の高さ、収縮性などの特性から、幅広い分野での取り扱いがあります。
その中でも焼きなましをした銅は、特に自動車関連ではガスケット、パッキン、リベットといった部品で使用されます。
加工すると目的以上に硬化するため・・・
熱処理事例②:無酸素銅(C1020)の焼鈍

こちらは無酸素銅(C1020) 酸素含有量=0.002%程度 の熱処理事例です。
無酸素銅は純度99.96%以上の純銅系材料で、導電性も高い上に不純物も少ない優秀な材料です。還元性ガスである水素の反応による脆性の心配がなく、用途が広いのも特徴のひとつです。
特に薄膜製品や箔に加工したものの開発も進んでおり・・・
熱処理事例③:マンガニンの焼鈍

こちらはマンガニンの熱処理(焼鈍)事例です。
マンガニンは銅 84%,マンガン 12%,ニッケル 4%の合金になります。温度による電気抵抗の変化が少ないので,電気計測器などに用いられています。
近年、電動化が進み用途が広がっていますが、純銅のように・・・
熱処理事例④:ベリリウム銅ワイヤーの焼鈍

こちらはベリリウム銅ワイヤーの熱処理(焼鈍)事例になります。
ベリリウム銅は銅にベリリウムを数%添加した合金になります。
ベリリウム銅は電気を良く通す、熱を良く伝える、耐食性が良いなどの特徴があり、銅の良い性質を生かしながら高い強度と優れたバネ性を兼ね備えていることから、数ある銅合金の中で最も優れた材料と言えます。通信機器などには、・・・
熱処理事例⑤:銅箔・銅粉末の焼鈍

こちらは銅箔・銅粉末の熱処理(焼鈍)事例になります。
弊社では0.1mm以下の薄い製品処理の研究開発事業に携わっており、特に水素を用いた還元処理の要望に多く応えて参りました。銅粉末の水素還元処理は製品化にとても有効な熱処理ており、水素雰囲気中高温下での銅粉末焼結熱処理の開発を行っています。
用途の広い銅材料は・・・
各種銅の熱処理のことなら、熱処理・水素還元技術ナビにお任せ!
各種銅の熱処理でお困りの際は熱処理・水素還元技術ナビでを運営しておりますサーマル化工株式会社までお気軽にお問い合わせください。
■ 熱処理・水素還元技術ナビの特徴
熱処理・水素還元技術ナビは、難易度の高い精密部品の各種熱処理に対応可能な熱処理のプロフェッショナルです。一般的な焼鈍から、純水素・特殊ガスでの熱処理を、1個から最大100時間の長時間行うことができます。
近年注目されている金属粉末の水素吸蔵によるリサイクル処理についても対応可能です。
■ 研究・開発支援実績が多数
熱処理・水素還元技術ナビを運営しておりますサーマル化工では、研究開発の試験案件を事業の核と考えており、本日に至るまで各業界のメーカー様をはじめとして様々な研究・開発支援を行ってきました。
正確な昇温、安定した保持時間、築炉よる緩やかな降温など試験目的によって、ご希望沿ったヒートパターンのご提案が可能です。
■ お客様からいただくよくある質問
実際にお客様からいただいたご質問のうち、特によくいただく質問をご紹介します!
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