熱処理事例
バイカロイの還元処理
種類 | 雰囲気熱処理 |
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材質 | その他 |
業界 | その他 |
目的・トラブル |
応力歪みの緩和・除去 加工性の改善 |
こちらはバイカロイの熱処理(還元処理)を行った事例になります。
バイカロイという金属についてまずは説明すると、バイカロイは1940年にアメリカで開発された圧延磁石で、後にクロムを添加することで磁気特性が向上することが発見されました。
バイカロイ-1(Fe-Co-10V)は等方性で、ヒステリシス材(強磁性体)として使用されます。交流磁場(送電線や変圧器などの近くで発生する磁界の強さが周期的に変化する場合)によって消費されるエネルギーロスをヒステリシスロスと呼びます。
バイカロイ-2(Fe-Co-14V)とCr-バイカロイ(Fe-Co-8V-4Cr)は異方性で、冷間加工によって製造されました。
加工が容易なため、薄板、細線、カップ形状などに使用されており、最近では原材料費の高騰により、鉄・クロム・コバルト磁石に置き換えられつつあります。
熱処理としては600~650℃で2~3時間保持し、還元雰囲気の中で炉冷します。
この処理は応力除去焼鈍に似ており、後の着磁処理によってヒステリシス特性が向上すると考えられます。 ただし、結果の詳細については開示されていないため、これが確定条件であるとは限りませんのでご了承ください。
熱処理 水素還元技術ナビでは、このような特殊な金属の熱処理についても、多数の実績がございますので、特殊金属の熱処理でお困りの際は、まずは一度ご相談ください。