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技術コラム

2024.12.28

  • 技術提案
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  • 金属・材質

【技術提案】金属粉末を水素還元&磁気焼鈍し、粉末成形時の変形を防止!

今回の技術提案の要約

今回ご紹介するのは、金属粉末を水素還元することで、粉末内の水分を除去。更に磁気焼鈍も行うことで、金属粉末を成形する際の変形を防止した技術提案事例になります。

近年、金属粉末射出成形 (MIM) などの技術革新に伴い、金属粉末の需要はますます高まっています。しかし、微細な金属粉末は表面積が大きく、大気中の水分を吸着しやすいため、従来の熱処理方法では粉末内部の水分を完全に除去することが困難でした。

この事例のポイントはずばり、①純水素雰囲気下における水素還元熱処理と磁気焼鈍の2種類の熱処理を当社のみで行えたことと②完全に水分を飛ばすために、当社が長時間の熱処理、炉冷に対応できる設備を整えていることにあります。

鉄粉 水素還元
鉄粉 水素還元
リサイクル粉末 水素還元 (2)
リサイクル金属粉末 水素還元

水素還元処理は大気中の酸素と水素を反応させて水蒸気として除去する技術であり、粉末内部の水分を極限まで除去することができます。さらに、磁気焼鈍処理を施すことで、粉末の磁気特性を向上させ、成形時の配向性を制御することで、寸法精度と均一性を向上させ、成形時に磁化しても変形を防ぐことが可能です。

下記ページでも「粉末の熱処理」について解説しておりますので、是非合わせてご確認ください!

>>「熱処理技術サービス:粉末の熱処理」について詳しくはこちら

 

Before:お困りごと

お客様は、元々、金属粉末の成形にお悩みでした。具体的には、以下のような課題を抱えていらっしゃいました。

 

①金属粉末を熱処理する際、外側が固まってしまい、内部まで上手く熱が通らず、十分に粉末内部の水分を飛ばすことができない。

 

②また、粉末内部の水分を完全に飛ばすには、炉冷時間の長期化などの難しい要求が発生し、対応できる企業がいなかった。

 

③金属粉末を成形にする際に、磁化して変形してしまう。

これらの課題があり、お客様は頭を悩ませていらっしゃいました。

 

After:ご提案内容

鉄粉 水素還元2 (1)

熱処理・水素還元技術ナビでは、この問題を、純水素雰囲気下における熱処理と磁気焼鈍の2種類の熱処理を組み合わせることで解決しました。

 

当社では、お客様の課題を解決するために、以下の技術を駆使した熱処理をご提案しました。

①高純度水素ガスを用いた水素還元処理

⇒当社では、純度99.9999%以上の高純度水素ガスを使用し、独自の還元雰囲気制御技術により、粉末内部の水分をナノレベルで除去します。

 

②精密な温度制御による磁気焼鈍処理

⇒ お客様の求める磁気特性に合わせて、最適な温度、時間を調整しお客様の製品ごとのヒートパターンを作り出しました。そして精密な温度制御を行うことで、求める磁気特性を実現します。これにより、成形時の配向性を制御し、寸法精度と均一性を向上さることで、粉末金属の成形時に磁化しても変形を防止することができるようになります。

 

③完全に水分を除去するための長時間熱処理・炉冷の実現

⇒長時間の熱処理にも問題なく対応が可能です。当社はピット型電気炉を12基保有しておりますので、お客様の案件に合わせて専用の炉を準備することが可能です。

これにより、長時間の熱処理と炉例を実現し、水分を完全に除去し、高い品質の製品にすることができます。

以下にて当社の保有する設備の一覧をご紹介しておりますので、是非こちらも合わせてご覧ください。

>>保有設備一覧はこちら

 

当社では、このように水素還元と磁気焼鈍を組み合わせ、また長時間の熱処理・炉冷を行ったことで、お客様の抱えていた課題を全て解決することができました。長年培ってきた熱処理技術と、お客様のニーズに合わせた柔軟な対応力により、高品質な金属粉末を提供し、お客様の事業に貢献いたします。金属粉末の熱処理でお困りの際は、ぜひ当社にご相談ください。

 

熱処理・水素還元技術ナビの粉末の熱処理事例

熱処理・水素還元技術ナビでは今回の事例以外にも、粉末の熱処理を行った実績が多数ございます。

熱処理・水素還元技術ナビが実際に行った粉末の熱処理事例を以下でご紹介いたしますので、是非こちらも合わせて、ご覧ください!

 

熱処理事例①:希土類金属の雰囲気熱処理
リサイクル粉末 水素還元 (2)

こちらは、希土類金属の雰囲気熱処理を行った研究開発事例になります。

 

雰囲気熱処理を行うことで、貴金属・希土類金属などを還元、粉砕、脆化、脱酸素、不純物除去などを行うことが可能です。

 

熱処理・水素還元技術ナビの研究開発では、複数の原料を組み合わせているため、その目的や研究により適した雰囲気熱処理でおこないます。

 

通常の金属熱処理と異なり・・・ 

  

熱処理事例②:粉末の熱処理
粉末の熱処理

こちらは粉末の熱処理事例になります。

 

粉末冶金技術から3Dプリンタの技術へ繋がり、 粉末の研究開発がより一層、進んでいます。

 

研究開発段階での粉末は複数の原料を組み合わせているため、その目的により複数のガスを用いた雰囲気熱処理でおこないます。 

 

また、複数の温度条件の試験を実施することで、粉末の原料の開発を行っています。

 

 

粉末の熱処理のことなら、熱処理・水素還元技術ナビにお任せ!

粉末の熱処理でお困りの際は熱処理・水素還元技術ナビでを運営しておりますサーマル化工株式会社までお気軽にお問い合わせください。

■ 熱処理・水素還元技術ナビの特徴

熱処理・水素還元技術ナビは、難易度の高い精密部品の各種熱処理に対応可能な熱処理のプロフェッショナルです。一般的な焼鈍から、純水素・特殊ガスでの熱処理を、1個から最大100時間の長時間行うことができます。

近年注目されている金属粉末の水素吸蔵によるリサイクル処理についても対応可能です。

 

■ 研究・開発支援実績が多数

熱処理・水素還元技術ナビを運営しておりますサーマル化工では、研究開発の試験案件を事業の核と考えており、本日に至るまで各業界のメーカー様をはじめとして様々な研究・開発支援を行ってきました。

正確な昇温、安定した保持時間、築炉よる緩やかな降温など試験目的によって、ご希望沿ったヒートパターンのご提案が可能です。

 

■ お客様からいただくよくある質問

実際にお客様からいただいたご質問のうち、特によくいただく質問をご紹介します!

 

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熱処理の基礎が分かるハンドブックを無料プレゼントしております。ご興味ある方は是非ご覧ください!

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