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技術コラム

2026.06.04

  • 技術提案
  • 水素還元

【技術提案】温度チャートシステム(デジタル指示調節計)の導入

当社は熱処理現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進するため、紙の記録から完全に脱却する最新の「温度チャートシステム(デジタル指示調節計・グラフィックレコーダー)」を導入いたしました。

本記事では、この新たなデジタルチャートシステムがどのようにお客様の品質保証と利便性向上に貢献するのか、システム導入の背景から具体的な3つのメリット(実現できること)までを詳しく解説いたします。

雰囲気熱処理における温度管理・記録の重要性とは

雰囲気熱処理において、製品の品質を決定づけるのは「温度・時間・ガス(圧力や流量)」の絶妙なバランスと精密なコントロールです。特に最先端の素材開発や半導体関連、センサー部品の研究開発などにおいては、わずかな温度のゆらぎや処理条件の違いが、製品の磁気特性や還元状態といった最終的な性能に直結します。

そのため、単に「決められた温度で加熱する」だけでなく、「実際にどのような温度変化を辿ったのか」を極めて正確に記録し、後からでも検証可能なトレーサビリティ(追跡可能性)を確保することが、お客様への品質保証において非常に重要となります。

BEFORE-今までの課題

従来の熱処理現場では、温度データの記録に「紙のチャート記録計」が広く用いられてきました。しかし、アナログな記録方法には以下のような課題が存在していました。

物理的なデータの受け渡し
記録された紙をわざわざ印刷したり郵送したりする必要があり、お客様への情報共有に手間と時間がかかっていた。

ヒューマンエラーのリスク
作業員が手動で記録の開始や停止を行う運用では、「記録の取り忘れ」といった属人的なミスが発生する恐れがあった。

長時間稼働における不安
長時間に及ぶ熱処理の場合、記録紙の交換や機器のエラーなどによってデータが欠損するリスクがあった。

遠隔監視の困難さ
現場の装置の前にいなければリアルタイムな温度変化を把握できず、迅速な対応が難しかった。

AFTER-デジタルチャートシステムの導入

当社はこれらの課題を根本から解決し、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するため、紙での記録から脱却する最新の「温度チャートシステム」を導入いたしました。これにより、デジタル管理への完全移行と、お客様とのやり取りの圧倒的な簡易化を実現しています。

導入設備の構成

  • 通信式 デジタル指示調節計: 炉内の温度を精密に制御し、デジタル信号として送信します。
  • 高性能 グラフィックレコーダー(チャート記録計): 受信側として、データをリアルタイムに視覚化し、記録・管理します。
  • 高精度 ハンディロガー: 最速0.01秒単位での緻密なデータロギングに対応します(※通信周期は1秒単位等から設定可能)。

デジタルチャートで実現できること

本システムの導入により、具体的に以下の3つのことが実現可能となります。

① デジタル化によるペーパーレスとリアルタイムなデータ共有・安全管理


測定された周期データを「CSV形式」または「PDF形式」で直接出力でき、そのままメール等でお客様へ送信することが可能になりました。これにより、大量の紙を印刷してやり取りする手間を廃止し、完全なペーパーレス化と迅速な情報共有を実現しています。また、オンラインでお客様とリアルタイム測定のデータを共有する場合には、専用のIDとパスワードを付与し、セキュアな環境でご提供することも可能です。

処理の開始(設備の電源オン)と同時にシステムが自動的に記録を開始し、パソコンを経由してクラウドサービス等へデータを保存します。これにより、記録の取り忘れといったヒューマンエラーを完全に防ぎ、ミスの起きない確実な管理環境を構築しました。

ネットワーク通信を利用することで、工場外からでもリアルタイムに設備のモニタリングや機器の操作・指示を行うことが可能になりました。万が一の異常発生時にも瞬時に検知・対応できるため、24時間体制での安全管理能力が飛躍的に向上しています。

② 正確かつ長時間のデータ記録と、確実な保管期間の保証

デジタル化により、数十時間以上に及ぶ長時間の耐久試験や熱処理においても、エラーなく正確に温度を記録し続けることが可能になりました。さらに、システムの持つ強力なストレージ能力により、当社の全設備が24時間連続でフル稼働し続けた場合であっても、最大「33年間分」のデータを確実に保管・保存できる保証体制を整えています。これにより、お客様の製品に対する長期的な品質保証を強力にバックアップします。

研究開発(R&D)段階における緻密で正確な温度・時間管理データの提供

最先端分野(半導体素材、ドローンの自動制御用センサー、耐久試験など)の研究開発機関のお客様にとって、実験結果の根拠となる詳細なデータ検証と厳格なトレーサビリティの確保は必要不可欠です。 今回導入したハンディロガー等を用いることで、0.01秒単位という極めて緻密な周期での温度・時間管理データを取得・提供することが可能になりました。わずかな条件の違いを見極めるための実証実験や最適な熱処理条件の確立において、確かなデータに基づく質の高い研究開発支援をお約束いたします。

雰囲気熱処理の実績

希土類金属の雰囲気熱処理

リサイクル粉末 水素還元 (2)

こちらは、希土類金属の雰囲気熱処理を行った研究開発事例になります。

熱処理・水素還元技術ナビの研究開発では、複数の原料を組み合わせているため、その目的や研究により適した雰囲気熱処理でおこないます。


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粉末の熱処理

粉末の熱処理

粉末から部品をつくる技術として主なものは、粉末冶金(金型に入れて圧縮成形する技術)焼結(高温加熱することで粒子同士が結合し合金化すること) MIM(MetalInjectionMoldingを略したもので射出成型を意味します)などがあげられます。

粉末冶金技術から3Dプリンタの技術へ繋がり、 粉末の研究開発がより一層、進んでいます。研究開発段階での粉末は複数の原料を組み合わせているため、その目的により複数のガスを用いた雰囲気熱処理でおこないます。

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■ 熱処理・水素還元技術ナビの特徴

熱処理・水素還元技術ナビは、難易度の高い精密部品の各種熱処理に対応可能な熱処理のプロフェッショナルです。一般的な焼鈍から、純水素・特殊ガスでの熱処理を、1個から最大100時間の長時間行うことができます。

近年注目されている金属粉末の水素吸蔵によるリサイクル処理についても対応可能です。

 

■ 研究・開発支援実績が多数

熱処理・水素還元技術ナビを運営しておりますサーマル化工では、研究開発の試験案件を事業の核と考えており、本日に至るまで各業界のメーカー様をはじめとして様々な研究・開発支援を行ってきました。

正確な昇温、安定した保持時間、築炉よる緩やかな降温など試験目的によって、ご希望沿ったヒートパターンのご提案が可能です。

 

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