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よくある質問

  • 熱処理の基礎

真空磁気焼鈍と無酸化磁気焼鈍の違いについて教えてください。

真空炉→ポンプで真空引きした炉内で熱処理で無酸化状態ともいえます。一方雰囲気炉→ガス圧力で空気を追い出した炉内で熱処理でどちらも真空は引き続け、雰囲気ガスは流し続ける必要があります。

熱処理炉の材質はステンレス容器が多く使われているので、鉄の磁気焼鈍を真空炉で行うのはあまり好まれず、1100℃のパーマロイなどの磁気焼鈍を行う場合が多いです。鉄の磁気焼鈍温度でステンレスを熱すると寿命が短く、かつ内部がクロムで変色してしまうためです。
雰囲気熱処理の場合は大まかに、還元性ガスの水素もしくは不活性ガスの窒素で行うことが多くなります。水素は還元力が強く、多少の汚れや錆びなら元に戻せる利点や多くの磁気焼鈍材料に相性が良いため、メーカーの推奨条件としても表記されます。欠点は可燃性ガスのため、扱いに危険が伴うことと、大量に使用する際は認可が必要だという点です。
窒素ガスは還元性はありませんので、錆びなどはそのまま残ります。窒化化合物が発生してしまうため、形状により不向きなものがあります。
脱炭作用は無いため、磁気特性が水素に比べて劣るものもあります。逆に材料に特殊コーティングなどをしているものは窒素でないと処理が出来ないものもメーカーで販売しています。