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よくある質問

熱処理・水素還元技術ナビのよくある質問

こちらのページでは、熱処理・水素還元技術ナビへ寄せられた
ご質問のご回答を紹介しております。
下記以外にも不明点がございましたら、お気軽にお問合せください。

水素還元

  • 水素ガスを使った熱処理で長時間処理には対応しておりますか。

    長時間の熱処理にも対応しております。

    水素ガスを使った熱処理としては、一般的には3時間前後ですが、熱処理・水素還元技術ナビでは最長100時間まで対応可能です。

  • 水素雰囲気で何℃から何℃までの温度の熱処理に対応可能ですか。

    100~1,100℃まで対応可能です。

    水素雰囲気では、100~1100℃まで熱処理対応可能です。また、熱処理の時間ですが、最大100時間まで対応可能です。

  • 水素還元とはどのような熱処理ですか?

    水素ガス中で行う熱処理です。

    水素ガス中で熱処理を行うことで、化合物が水素と結びつき金属を元の状態へ戻すことのできる還元処理です。

熱処理の基礎

  • 「残留磁束密度」の意味について教えてください。

    磁性材料を磁化して磁場が0になった際に残っている磁束密度のことです。

    記号:Br。単位:T。外部磁場がゼロになった後も磁性体に残る磁束密度のこと。磁化曲線の縦軸との交差点。

    ※磁束密度:単位面積あたりの磁束を(密度)の値で、磁界の強さ=「磁束線の密度」のこと。

  • 「実効透磁率」の意味について教えてください。

    交流磁場における透磁率のこと。コイルや磁気回路全体の磁気特性やコアの形状などを踏まえた実数値となります。

    記号:μe。複素透磁率とも呼ばれ、交流磁場における回路全体、またコア形状などを踏まえた透磁率のこと。

  • 「インダクタンス」の意味について教えてください。

    コイルや磁性体における交流の抵抗、電磁誘導の度合のことです。

    記号:L。単位:H。コイルや磁性体が電流変化に対して、どのくらい電磁誘導が発生するかを表す電磁誘導の度合のこと。ヘンリー(H)で測定されます。

  • 「保磁力」の意味について教えてください。

    磁束密度(B)が0になる逆磁場の大きさ(あるいは強度)のことです。

    記号:H。単位:A/m。残留磁束密度Brをゼロにするのに必要な磁界の強さHを保磁力HCと呼び、残留磁束密度をゼロにするために必要な逆向きの磁場強度のこと。数値が低いと優れた軟磁性材料といえます。

  • 「鉄損」の意味について教えてください。

  • 「コアロス」の意味について教えてください。

    主にヒステリシス損と渦電流損からなる磁性体のコアにおける損失の総称のことです。

    記号:Pc。単位:KJ/m3乗。主にヒステリシス損と過電流損の合計のことです。(Pc=Ph+Pe)

    ※ヒステリシス損:交流磁場化において、消費されるエネルギー損失のこと。

    ※過電流損:交流磁場の電磁誘導による過電流により消費されるエネルギーロス。

  • 「渦電流損」の意味について教えてください。

    交流磁場の電磁誘導による過電流により消費されるエネルギーロスのことです。

    記号:Pe。単位:KJ/m3乗。交流磁場において、電流が流れることで磁性体やコイル内で発生する過電流のエネルギー損失です。主に熱として放出されます。

  • 「ヒステリシス損」の意味について教えてください。

    磁性体が磁化と脱磁を繰り返す際に発生するエネルギー損失のことです。

    単位:Ph。単位:KJ/m3乗。交流磁場化において、消費されるエネルギー損失のことです。

  • 「最大透磁率」の意味について教えてください。

    磁性体が特定の磁場強度で示す最も高い透磁率のことです。

    記号:μm。単位:H/m。初磁化曲線状で最大となる透磁率。

    ※透磁率:物質の磁化のしやすさを数値で表わす数値。

  • 「初透磁率」の意味について教えてください。

    磁場が非常に弱いときの透磁率のことです。

    記号:μi。単位:H/m。磁場の小さいところでの透磁率。

    ※透磁率:物質の磁化のしやすさを数値で表わしたもの。

  • 「透磁率」の意味について教えてください。

    磁性体の中を磁束がどのくらい通過しやすいかを表します。磁束密度と磁場の比で表されます。

    記号:μ。単位:H/m。物質の磁化のしやすさを数値で表わしたもので、磁場で磁化されやすく、取り除くと戻りやすいものが軟磁性材料です。

  • 「最大磁束密度」の意味について教えてください。

    磁性体が外部磁場によって到達し得る最大の磁束密度のことです。

    記号:Bm。単位:T。特定の磁場でにおける最大の磁束密度です。

    ※磁束密度B(単位T):単位面積あたりの磁束を(密度)の値で、磁界の強さ=「磁束線の密度」のことを「磁束密度」といいます。

  • 「飽和磁束密度」の意味について教えてください。

    磁性体が磁化され、磁化がそれ以上増加しない状態での最大の磁束密度のことです。

    記号:Bs。単位:T。磁性材料を磁化したときの磁束密度の飽和値のことです。

    ※磁束密度B(単位T):単位面積あたりの磁束を(密度)の値で、磁界の強さ=「磁束線の密度」のことを「磁束密度」といいます。

  • 「ソルバイト」の意味について教えてください。

    ソルバイトは鉄の組織構造の一種です。

    ソルバイトは、マルテンサイトを適切な温度で焼き戻す(温め直す)ことでできる、柔らかくて丈夫な構造です。

    ソルバイトは鉄鋼は強さと柔軟性のバランスが取れた状態と言えます。ソルバイトは、350〜600℃での焼き戻しによって得られます。焼き戻すことで、内部応力が低減し、材料の靭性が向上します。焼き戻し温度と時間を調整することで、望ましい機械的特性を得ることができます。

  • 「セメンタイト」の意味について教えてください。

    セメンタイトは鉄の組織構造の一種です。

    セメンタイトは、鉄と炭素が一緒になってできるとても硬い組織構造です。セメンタイトは、特に硬さが求められる機械部品や工具に使われます。セメンタイト(Fe₃C)は、炭素含有量が6.67%の化合物になります。

    熱処理の過程でセメンタイトが適切に形成されると、材料の耐摩耗性が向上します。しかし、過剰なセメンタイトは材料を脆くするため、バランスが重要です。

  • 「パーライト」の意味について教えてください。

    パーライトは鉄の組織構造の一種です。

    パーライトは、フェライトとセメンタイトが層状に交互に存在する組織構造です。パーライトは、約0.8%の炭素を含む鋼がゆっくり冷却されるときに形成されます。

    パーライトの層状構造は、材料の引っ張り強度と靭性をバランスよく提供します。さらに、パーライトの生成速度や温度を調整することで、微細なパーライト(ソルバイト)や粗大なパーライト(ラメラーパール)を形成し、材料の特性を調整できます。

  • 「変態点」の意味について教えてください。

    変態点は、鉄鋼がある温度や条件で別の形に変わる温度・ポイントです。

    この温度を知っておくことで、鉄鋼の性質をうまく調整することができます。たとえば、強くしたり柔らかくしたりするのに役立ちます。鋼の変態点は炭素含有量や合金元素の影響を受けます。

    具体的には、オーステナイトからフェライトへの変態点(Ac₃点)や、マルテンサイト変態開始点(Ms点)が重要です。これらの変態点を理解することで、適切な熱処理プロセスを設計し、材料の最適な特性を引き出すことが可能です。

  • 「マルテンサイト」の意味を教えてください。

    マルテンサイトは鉄の組織構造の一種です。

    マルテンサイトは、オーステナイトを急に冷やすとできる組織構造です。非常に硬くて丈夫な特性を持つ一歩で、その分もろくなることもあります。マルテンサイトは、包丁や工具など、硬さが必要なものに使われています。

    炭素含有量が高いほど硬度が増しますが、同時に脆さも増します。マルテンサイト形成には急冷を行う必要があります。

  • 「残留オーステナイト」の意味について教えてください。

    残留オーステナイトは、鉄鋼を熱処理して冷やしたときに、完全に変わらずに残ってしまうオーステナイトです。

    残留オーステナイトが残っていると、鉄鋼の特性に影響を与えることがあります。適切な熱処理を行うことで、この残留オーステナイトを減らすことができます。

    残留オーステナイトの量は冷却速度や炭素含有量によって変わります。例えば、急冷すると残留オーステナイトが増加しやすくなりますが、適切な焼き戻しを行うことでその量を減少させることができます。

  • 「オーステナイト」の意味について教えてください。

    オーステナイトは鉄の組織構造の一種です。

    オーステナイトは鉄の高温状態における組織構造で、面心立方構造(FCC)を持ちます。高温で安定し、冷却することで、マルテンサイトなどの構造に変わります。非磁性であり、ステンレス鋼の主成分として重要な役割をもちます。主に鉄にニッケルやクロムを加えることで安定化し、高温での耐食性や機械的性質を向上させます。

    原子間の隙間が大きいことから、炭素を取り込みやすい状態にあります。

  • 「フェライト」の意味について教えてください。

    フェライトは鉄の組織構造の一種です。

    フェライトは常温で安定し、体心立方構造(BCC)となっているため、磁性を持ち合わせています。炭素含有量が0.02%以下の低炭素鋼ではフェライトが主成分となります。低炭素含有量のため、硬度や強度は低いですが、その柔軟性と加工性が高いことが特徴です。

  • 不活性ガスについて説明してください。

    不活性ガスとは、化学反応において他の物質とほとんど反応しない特性を持つガスのことを指します。

    代表的な不活性ガスには、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどがあります。これらのガスは、周期表の18族元素(貴ガスとも呼ばれる)に属しており、その電子配置が安定しているため、他の物質と反応しにくいです。

    不活性ガスは、化学反応を避けたい環境や高純度の製品を得るための保護ガスとして広く利用されています。例えば、アルゴンガスは、溶接時に金属が酸化するのを防ぐためのシールドガスとして使用されます。

  • 還元性ガスについて説明してください。

    還元性ガスは、化学反応において他の物質を還元する能力を持つガスのことを指します

    代表的な還元性ガスには水素、一酸化炭素、アンモニアなどがあります。還元性ガスは、酸化を防ぐために使用され、金属表面の酸化皮膜を除去するのに役立ちます。

  • 水素雰囲気熱処理を窒素でおこなった場合はどうなりますか?

    材質よって異なる変化が発生します。

    純鉄では表面だけでなく、内部に窒化化合物の形成が起こります。合金は金属表面の光沢感も失います。

  • ステンレスの硬度を上げることは可能ですか?

    場合によっては可能です。

    一般的にマルテンサイト系は焼き入れで硬度を上げることは可能ですが、それ以外は一度軟化させると元に戻すことは出来ません。

  • 銅材料の硬度を下げることは可能ですか?

    基本的には、可能です。

    銅材料の一般的な硬さ表記、1/2Hや1/4HをO材(なまし材)の硬度であれば、下げることが可能です。

  • 熱処理後に酸洗の必要はありますか?

    雰囲気熱処理であれば必要ありません。

    雰囲気熱処理では酸化を防ぐため表面色がすることはありません。特に、水素ですと酸化還元で光沢が戻ります。

  • 極細な部品でも熱処理可能ですか?

    対応可能です。

    対応可能です。熱処理・水素還元技術ナビでは、材質や温度にもよりますが、25~50µmまで熱処理の実績がございます。

  • 薄板の熱処理は可能ですか?

    対応可能です。

    純鉄・パーマロイ・パーメンジュールなどは0.1mm、サイズにより50µmまで変形せずに熱処理可能です。

  • コーテイング材の熱処理は可能ですか?

    対応可能です。

    熱処理・水素還元技術ナビでは、コーテイング材の熱処理実績が多数ございます。不活性ガスでの熱処理はご連絡いただければご対応いたします。

  • メッキを拡散処理したいのですが可能ですか?

    母材とメッキが高温に耐えられるものであれば対応可能です。

    母材とメッキが高温に耐えられるものであれば対応可能です。条件を確認しますので、まずは一度ご相談ください。

  • ステンレスの磁気焼鈍は可能ですか?

    不可能ではございません。

    クロム成分が多く含まれる材質が磁化した場合は熱処理で磁性を正すのは難しくなりますが、不可能はございません。まずは、条件をご確認いたしますので、ご相談ください。

  • 部品どうしがくっついてしまいます。原因を教えてください。

    微細部品の場合、溶着防止措置をとっていないと部品同士はくっついてしまいます。

    微細部品の場合、溶着防止措置をとっていないと部品同士はくっついてしまいます。また、容器に詰め込みすぎていた場合も溶着する原因になります。

  • 熱処理後に変色しました。原因を教えてください。

    原因は複数考えられます。

    炉内の雰囲気形成が不十分、冷却速度が早すぎる、設備の不具合などが考えられます。

  • 熱処理後は錆びやすくなりますか?

    材質によって錆びやすさは異なります。

    熱処理は金属特性を向上させるかわりに表面の不働態被膜を失います。そのため防錆処理が必要になる材質もあります。

  • 熱処理で変形しますか。

    熱処理によって変形する可能性を0にすることは難しいとされています。

    ほとんどの材質は膨張しますので変形する可能性はあります。軽減させる方法もありますのでご相談ください。

  • 光輝焼鈍BAという表記はどのような意味ですか?

    光輝焼鈍BAは、金属表面の変色を防ぐ熱処理です。

    光輝焼鈍BAは、金属表面の変色を防ぐ熱処理です。水素雰囲気中でおこなうと還元作用も働き表面が輝く仕上がりになります。

  • 露点とはどのような意味ですか?

    ガス中の水蒸気が水になる温度です

    ガス中の水蒸気が水になる温度です。露点計という装置で温度の測定をします。

  • アルゴンガスでの熱処理はどのような時に使用しますか?

    さまざまな材質の熱処理に使用されています。

    アルゴンガスは、ガスの中でも非常に安定しているガスのため、さまざまな材質の熱処理に使用されています。その分、還元反応はありません。

  • 窒素雰囲気の熱処理はどのような時に使用しますか?

    窒素雰囲気の熱処理は、水素脆化のある材質やコーティング素材などで使用されます。

    窒素は無酸化状態を形成する不活性ガスです。そのため、水素脆化のある材質やコーティング素材などで使用されます

  • 粉末の熱処理は可能ですか?

    粉末の熱処理を行うことは可能です。

    各種ガスを微量に流し続ける雰囲気炉は粉末を処理するには適しています。微細粉末の還元処理には水素を使用することが出来ます。

  • 水素雰囲気熱処理とはどのような熱処理ですか?

    炉内を空気から水素と置き換えて行う熱処理です。

    炉内を空気から水素と置き換えて行う熱処理です。水素は還元力があるため金属表面を元の輝きに戻します。

  • 保磁力A/mという表記はどのような意味ですか?

    磁化された磁性体が元の状態に戻すために必要な外部磁場の強さを表しています。

    磁化された磁性体が元の状態に戻すために必要な外部磁場の強さを表しています。。数値が小さいと高機能材料として使用されます。

  • 析出硬化とはどのような熱処理ですか?

    固溶化された材料の母材と対比する材質を表面層で硬化させる熱処理です。

    固溶化された材料の母材と対比する材質を表面層で硬化させる熱処理です。時効硬化処理とも呼ばれます。

  • 固溶化とはどのような熱処理ですか?

    金属の合金元素を溶け込む温度まで上げる熱処理です。

    金属の合金元素を溶け込む温度まで上げる熱処理です。急冷すると常温でも金属特性を維持します。

  • 磁気焼鈍とはどのような熱処理ですか?

    加工によって起こった内部歪み(磁化)を元に戻す熱処理です。

    加工によって起こった内部歪み(磁化)を元に戻す熱処理です。焼きなましと同じく軟らかくなります。

  • 応力除去とはどのような熱処理ですか?

    加工や溶接などで起こった内部応力を除去する熱処理です。

    加工や溶接などで起こった内部応力を除去する熱処理です。完全焼きなましより低い温度になります。

  • 焼きなましとはどのような熱処理ですか?

    熱することで結晶組織が均一になって軟らかくなる熱処理です。

    熱することで結晶組織が均一になって軟らかくなる熱処理です。焼鈍(しょうどん)とも呼ばれます。

検査

  • 試料本体の温度を測定することは可能ですか?

    不活性ガス(窒素など)で測定することは実施可能です。

    不活性ガス(窒素など)で測定することは実施可能です。水素の場合は熱処理条件によって炉体を変えることで可能になります。

  • 保磁力の測定は可能ですか。

    保磁力HCの測定は社内で可能です。

    保磁力HCの測定は社内で可能です。テストピースの作成でヒステリシス曲線の測定も可能です。

その他

  • 熱処理にどのようなガスを使用することができますか?

    水素・窒素・アルゴンが基本設備となります。

    水素・窒素・アルゴンが基本設備となります。各種ガスをベースに混合ガスをオーダーすることも可能です。

  • 長時間の熱処理は可能ですか?

    最長で100時間の処理に対応可能です。

    熱処理・水素還元技術ナビを運営するサーマル化工株式会社では、月から金まで24時間連続稼働を行っております。そのため、最長で100時間の処理に対応可能です。