よくある質問
熱処理・水素還元技術ナビのよくある質問
こちらのページでは、熱処理・水素還元技術ナビへ寄せられた
ご質問のご回答を紹介しております。
下記以外にも不明点がございましたら、お気軽にお問合せください。
水素還元
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水素還元の仕組みについて教えてください。
Fe2O3 + 3H2 → 2Fe + 3H2O (酸化鉄(III.) + 水素 → 鉄 + 水)
一例となり、全てこの通りになるとは限りません。水素雰囲気も時間をかけて温度をゆっくり上げていくことと、熱処理の時間も長く行うこと、冷却は炉の中でその工程の倍近く時間をかけて水素中でゆっくり下げていくことが重要です。
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水素還元は高温に対応可能ですか。
鉄の場合はキュリー温度727℃から還元が始まりますが、弱めの錆びを無くしたり銀色になるには850℃前後になります。
SUS304(18-8ステンレス)の場合は1100°C前後です。その他の材質、非鉄は温度が異なるのと大体の場合は軟化するので使用目的によっては水素還元熱処理ではなく、酸洗などの表面処理で金属表面を磨いたりする場合もあります。
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水素還元で対応可能な熱処理温度を教えて下さい。
水素ガスでの熱処理は150°Cから1100°Cまで対応可能です。
水素還元は材質と酸化の状態により温度と時間を調整して行うことで効果が出ます。
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水素焼鈍の条件について教えて下さい。
水素による焼鈍は水素を吸い込んでしまう材質 (チタンやネオジムなどのレアアースに多いのです)温度によって炭化してしまう素材(燃えてしまうもの)熱によって多量の水分が放出されてしまうもの(シリカゲルなど)でなければ対応可能です。
また処理温度はその材質や素材の溶解温度以下になります。
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水素雰囲気熱処理は何度から対応可能でしょうか。
水素雰囲気は実績値として180℃から1120℃までの熱処理を行っています。
詳しくはご相談ください。
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水素雰囲気焼鈍について教えてください。
炉内の大気(空気)を水素ガスに置き換えて行う熱処理になります。
水素以外にも窒素やアルゴンで行うこともあります。
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ウェット水素とは何ですか?
通常の水素はほとんど水分量というものがなく、ドライ水素と呼ばれています。
そのガスを水を通したりしてガスに水分量を含ませたものになります。ドライ水素の水分量は露点と言われる言葉で単位は℃、水分量0.001%程度です。ウェット水素はよりプラスに近い露点のガスとなり、水分量は1%程度もあれば十分にウェット水素と言えるでしょう。空気中の露点とは湿度のことになります。
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水素還元温度について教えてください。
材質や酸化の具合により異なります。
純鉄が赤くサビているとして、800℃以上、時間は長いほど良い還元します。その代わりに何らかの金属特性を失います。純鉄ならかなり軟らかくなってしまいます。
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還元性について教えてください。
熱処理のガスでいうと水素になります。
水素をベースに他のガスを混ぜる混合ガスなど数種類あり、その会社の設備や取り扱い材料により異なります。
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水素中の水分量について教えてください。
サーマル化工で使用している水素の場合、加熱後0.0011%以下になります。
詳しくはご相談ください。
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水素焼鈍炉は、ニッケルの少ない鉄に対して使用しても大丈夫でしょうか?
はい、問題なく熱処理することが可能です。
クロムが入っている場合はまたご連絡ください。
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水素は金属より酸化しやすいのでしょうか。
大気中の酸素と結びつく点で言えば、鉄や炭素鋼が目に見えて分かります。
金属という括りですと酸化が進まないものもあるので金属、水素は酸素と結びつくと水になるので酸化、とはあまり表現しないようです。
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水素ガスが結露することはありますか。
ウェット水素機器を使用して温度を上げれば結露させることが可能です。
通常の水素ガスが結露することは難しいと思われます。
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水素還元の反応式の一例を教えてください。
酸化銅 CuOにHH →Cu とH-O-Hになります。
詳しくはご相談ください。
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水素熱処理1バッチの価格について教えてください。
条件と温度、材質とサイズにより異なります。
詳しくは各社炉メーカーにご相談ください。
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水素還元を行った場合、酸素と置き換わった水素はその後どうなるんでしょうか?
水素還元熱処理後、取り出した鉄の場合ですと、すぐに失われて代わりに酸素と置き換わり、酸化が始まります。
希土類元素の場合は吸蔵するものも多くあるので水素を取り込んだままの状態となりますが取り扱いが大変危険になる場合があります。
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水素還元の温度について教えてください。
水素還元は材質に由来します。
一例として鉄の場合、600℃以上です。
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水素雰囲気熱処理に付いてわかりやすく教えてください。
水素ガスの空間を作り、その中で金属を熱していきます。
水素と酸素が結びついて金属は元の銀色などになります。加えて金属は加工によって部品になったときの応力、ストレスが無くなります。
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熱処理に必要な水素の量はどれくらいですか。
水素量は炉の大きさによって異なります。
炉体メーカーさんが正確に算出してくれます。圧力は最小でも大気圧の3倍以上が望ましいです。これに熱処理時間が加わって水素の使用量がわかります。
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水素中熱処理の場合、水素の濃度はとは何ですか?
サーマル化工では99.99%から乾燥装置を通して99.9999%程度まで上げて使用しています。
当社の強みの一つでもあります。
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水素雰囲気熱処理の後に同じタンクで窒素雰囲気熱処理をすることは可能ですか?
可能です。
高温下でおこなうと変色する場合があります。
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空気中の水素だけで還元することはできますか。 また、どのくらいの水素で銅1gを還元できますか。
酸化銅の場合、還元には水素だけでなく、温度が必要になります。
200℃以上で大気圧に押されない圧力と流量が必要となり、容器内を大気と置換しただけでは還元反応は難しいため、銅の重さではなく、容器の大きさが水素の量になります。
また、空気中の水素はほとんどありませんので、還元することはできません。還元反応は極力酸素の少ない空間で行われます。 -
水素還元ガスの利点について教えてください。
微量な酸化物でも問題なく除去可能な点です。
分析装置やガラス封着部品、炭素や窒化を避ける目的の材料で選択されます。
反対に相性の悪い材質や還元効果の無い温度帯では水素である必要を求められないこともあります。 -
水素還元力とは何ですか。
鉄が水素を失い、酸素と結合することが酸化、錆びることなどです。
逆に水素を与える事で酸素と水素と結合し、鉄が水素を得ることができます。錆びが無くなった状態が水素還元になり、その特性を水素還元力と呼んでいます。
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水素ガスを使った熱処理で長時間処理には対応しておりますか。
長時間の熱処理にも対応しております。
水素ガスを使った熱処理としては、一般的には3時間前後ですが、熱処理・水素還元技術ナビでは最長100時間まで対応可能です。
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水素雰囲気で何℃から何℃までの温度の熱処理に対応可能ですか。
100~1,100℃まで対応可能です。
水素雰囲気では、100~1100℃まで熱処理対応可能です。また、熱処理の時間ですが、最大100時間まで対応可能です。
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水素還元とはどのような熱処理ですか?
水素ガス中で行う熱処理です。
水素ガス中で熱処理を行うことで、化合物が水素と結びつき金属を元の状態へ戻すことのできる還元処理です。
熱処理の基礎
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磁気焼鈍の価格について教えてください。
磁気焼鈍の価格は材質によって温度が異なりますので、材質情報が必要となります。
次にサイズですが精密部品の場合は熱処理による変形も考えられます。またサイズは各会社の設備によって上限があるためお受け出来ない場合もあります。
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応力除去焼鈍で、歪取りができるとの事ですが、どういったメカニズムですか?
材質により異なりますが、鉄を例とると、応力は内部で持っている力のことで、鉄の加工品でいう加工硬化を指します。その硬さを元に戻すことで図面寸法通りにあわせていくことになります。
焼きなましといわれる完全焼鈍以下の温度で行われることが一般的になります。
材質により応力除去焼鈍の金属特性が異なりますので、鉄の場合は元にの硬さに戻すことで歪みを抑えるような形になります。 -
光輝焼鈍炉の雰囲気ガスについて教えてください。
一般的には水素ガス、AXアンモニア分解ガス(水素と窒素が発生)の2つがよく使用されています。
他にもガスの精製方法があり、熱処理や接合熱処理によってDX NX RX などがあります。
ここでいう、水素やアンモニア分解を使用した光輝焼鈍とはステンレスが変色しないガスをさしています。 -
SUS630について教えてください。
表面近くにある成分が熱処理によって混ざるようになることで硬くなるステンレスです。
温度は表面硬さによってH数字処理などの支持があります。ステンレスの変色が起こる温度帯のため、無酸化に近い状態でおこなってもまばらな青っぽい色の仕上がりになってしまうこともあります。変色なく処理可能な熱処理炉と技術をお持ちの会社もあります。
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窒素雰囲気は不活性ガスとしての役割があるのでしょうか。
熱処理では主に窒素、アルゴンを不活性ガスと同等の役割を果たしています。
これらも不活性ガスとよんでいます。正確に不活性ガスというと希少で高価な為、ほとんど使用することはありません。また二酸化炭素は比重が重く雰囲気として炉内にまんべんなく行き渡るには難しい為、使用することはあまりありません。
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SUS304の固溶化処理は出来ますか?
対応可能です。
ただし、サイズに制限があることと、完成部品の場合は歪みなどが起こってしまうことが考えられます。熱処理後も加工をする、もしくはある程度の寸法のズレは範囲内という形になります。
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焼鈍を行うときの注意点を教えてください。
主に3つあります。
・油分は極力取り除くこと・温度管理を正確に行うこと・ガスもしくは真空度の確認を怠らないことになります。
最も重要なことはどのように位置や数量を決めるか、ですがこれは各社のいわゆる企業秘密になりますのでお伝え出来ないのは残念です。 -
水素雰囲気下での脱炭の仕組みについて教えてください。
鋼材を加熱する際に空気中の酸素と鋼材表面の炭素が結合し、炭素が失われる現象になります。
大気中で熱処理をすればより脱炭しますが、表面の酸化で肌荒れが起こり寸法にズレが起こって激しく錆が発生してしまいます。
その為に脱炭を行うには還元性ガスで表面を酸化させずに熱処理を行う方法が取られています。 -
時効硬化処理について教えて下さい。
よく行われる材質では通称 インコネル 析出硬化ステンレス、非鉄ではベリリウム銅などがあります。
原子は異なりますが、素材の中にある固溶したものが熱と時間によって混ざりあうことで硬くなります。
ドリルのように硬くなるというよりはヘタらないバネや摩耗に強い軸などの用途が多いようです。欠点としては、時効硬化により変形してしまうことや変色すること、錆びやすくなってしまうこと、インコネルは材料費と時効硬化費用がかなり高額になってしまうこと、などそれぞれにメリットデメリットがあります。 -
ステンレスの熱処理目的について教えてください。
ステンレスの熱処理の目的は種類により異なります。
オーステナイト系ステンレス加工のひび割れ防止、もしくは錆びなどへの耐久性を上げること。それにより、軟らかくなると元に戻せません。また磁力を帯びてしまうと熱処理で取り除くは困難です。
フェライト系ステンレスリベットなどつぶして使うためにより軟らかくする。曲げやすくする。マルテンサイト系ステンレス刃物に使うことが多いので、焼入れ焼戻し用。析出硬化系ステンレス熱処理で表面を硬くして摩耗しにくくする。熱処理をすると錆びやすくなってしまうので表面処理が必要になる場合もある。ステンレス電磁石の用途で使用するため熱処理を行って本体の磁力を少なくする。錆びにくく、強度もあるが電磁石としての性能でいうと純鉄より劣る。 -
水素還元の反応エンタルピーはどうなっていますか?
金属の水素還元で熱力を測定した実績はありません。
水素ガスは大気との置換を目的として使用して、おり水素ガス反応での熱処理を行ってないためです。
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ベイナイトについて教えてください。
焼入れで硬くなる組織と焼きなましで軟らかくなる組織のちょうど間の組織をベイナイト組織といいます。
炭素量により組織範囲が異なるだためとても曖昧で熱処理温度はどのくらいから、というのを決めるまでに何度も試験が必要な組織です。
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タフピッチ銅の熱処理について教えてください。
銅全般に言えることですが、熱処理で軟化はしますが硬化することはありません。
そのため、部品形状や仕様によって熱処理温度はかなり幅広くなります。
おおよそですが、300°C〜400°Cが多いと思います。部品や材料としての温度上限は500℃位です。ガス炉で行うことがほとんどで、酸素濃度が測定しにくい真空炉で行われることはあまりありません。大気中で行うと表面がボロボロになり、酸化するというよりは削れてしまうような状態となります。 -
純鉄は焼き入れすれば硬くなりますか。
鉄が熱処理で硬くなるかどうかは、カーボン量によります。
一般的に純鉄と呼ばれるものはカーボン量0.02%程度になりますので、熱処理の焼入れを行っても硬くならず、軟らかくなってしまいます。純鉄を硬くするには浸炭窒化と呼ばれる熱処理で表面を数ミクロンですが硬くすることが出来ます。
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SPCC材は磁気焼鈍を考えております。 情報を集める中でSPCC材は焼鈍の効果が薄いとありますが、 実際効果は出るのでしょうか。
ご連絡ありがとうございます。
ご連絡ありがとうございます。サーマル化工です。
純鉄に比べると効果が薄い、といえますが磁気焼鈍をほどこすことにより、磁性は1/10程度まで改善します(加工精度により異なります)ご不明点はご連絡頂ければ幸いです。 -
C3602材(カシメ材)の焼鈍は対応可能でしょうか。
可能です。
詳しくはご相談ください。
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FeNiめっき皮膜の磁気焼鈍を検討しています。100*100mmのサンプルを数枚だけ処理とかにも対応しているでしょうか。
条件付きで対応が可能です。
通常の処理温度(1100℃)ですと表面のメッキの拡散が進み、ほとんどメッキが無い状態での仕上がりとなってしまいます。また、板厚により歪みが起こりうる可能性もございますが、こちらをご了承の場合ならば処理を行うことは可能です。詳しくはご相談ください。
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応力除去焼鈍でも鉄の磁気特性は改善しますか?
炭素鋼か純鉄かにより、異なりますが、最低でも720℃以上の熱処理を施さないと加工残留内部応力(磁化)の改善とまではいえない結果となる場合が多くなります。
鉄を純鉄とした場合、内部応力(磁化)の方向性を戻すには850℃前後の再結晶温度を超えることが必要だと思われます。ただし、強度が落ちてしまう、それほどの磁気特性を求める部分ではない、
など求める点が異なる場合もあります。鉄の応力除去温度で磁気特性は全く変わらない事はございません。少なくとも変化はあります。 -
SUS304でも低温脆性が起こるのでしょうか?また、低温脆性がおきた場合の素材が常温になった場合、機械的性質が変化しているのでしょうか?
温度域800℃から500℃前後で空冷(ゆっくりと冷やす)もしくは同温度域で熱処理を行うと微量の炭化物が表面近くで析出し、変色します。最も起こりうる特性変化は激しく錆びやすくなる、になります。また耐酸性も落ちます。
バネ性を向上する低温熱処理は400℃まで、軟化処理は900℃前後で行いますが、純度の高い雰囲気ガスで行うことが必要となります。そして冷却は急冷が必須となりますので、温度管理と雰囲気管理が重要です。
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SUYとは何ですか。
電磁軟鉄、電磁鋼板などと呼ばれますが、炭素量の少ない純鉄のことになります。
各メーカーで独自にブランド化しているので名称は多くなりますが、基準は炭素量0.02%以下の鉄になります。熱処理だけで硬くすることは出来ず、軟らかくなるだけです。その代わりに磁力が少なく、電気のちからによって得た磁界の中では強い磁力を持ちます。磁界が無くなると鉄に戻ります。いわゆる電磁石のもととして熱処理を施して製品を作動させることになる材料の名称です。
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固溶化熱処理は応力除去の目的も含んでいますか。
固溶化熱処理で応力を取ることも可能です。
最終仕上げ手前で行うことが多く、場合によっては軟らかすぎる、ということもあります。
ちょうど1000℃前後が分岐点になるので、試す場合は1000℃(応力除去として多い温度)1100℃(固溶化として一般的な温度)くらいが良いかとおもいます。焼きなまし=鉄を軟らかくする熱処理です。
焼入れの反対の意味になります。日本の刀や包丁は刃先側を焼入れ、反対のみねを焼きなましをほどこしているものもあります。とても折れにくい刃物をつくることができます。 -
分散強化について教えてください。
熱処理で言う「析出硬化処理」もしくは「時効硬化処理」に当たる思います。
どちらも成分が外に出ようとして表面近くの成分と混ざり合うようことで硬くなる処理です。
これはある一定の材質だけに行われる処理で、ステンレスですと呼び名に析出硬化系と付きます。それ以外ですとベリリウム銅などが有名です。 -
磁気焼鈍は図面上でどのように表記すればよいのでしょうか。
図面作成についての専門知識が無く、正式な返答ではありませんが、図面によってバラバラです。
展開図の空欄に温度、保持時間、炉の選定、冷却方法などを記載してあるものはこちらはとしては大変助かります。更に保磁力(HC A/m)の参考値があると嬉しい限りです。少し話がそれました。熱処理の条件は「双方相談の上決定すること 」という様な意味合いで、かなり曖昧な取り決めがJISに記載してあります。
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水素ガスと空気を置き換える「置換」方法とは具体的はどの様な方法でしょうか?
空気で覆われている炉内を大気圧の数倍以上の圧力で、酸素の含まれていないガスで追い出しことになります。
通常では空気→窒素→水素を常温もしくは爆発限界点以下の温度で行います。
圧力常に大気圧より高く、常にガスを流し続けることで空気の入る隙間を無くして熱をかけていきます。これが不完全で行うと不良品になったり、水素の場合は事故につながることもあります。 -
真空磁気焼鈍と無酸化磁気焼鈍の違いについて教えてください。
真空炉→ポンプで真空引きした炉内で熱処理で無酸化状態ともいえます。一方雰囲気炉→ガス圧力で空気を追い出した炉内で熱処理でどちらも真空は引き続け、雰囲気ガスは流し続ける必要があります。
熱処理炉の材質はステンレス容器が多く使われているので、鉄の磁気焼鈍を真空炉で行うのはあまり好まれず、1100℃のパーマロイなどの磁気焼鈍を行う場合が多いです。鉄の磁気焼鈍温度でステンレスを熱すると寿命が短く、かつ内部がクロムで変色してしまうためです。
雰囲気熱処理の場合は大まかに、還元性ガスの水素もしくは不活性ガスの窒素で行うことが多くなります。水素は還元力が強く、多少の汚れや錆びなら元に戻せる利点や多くの磁気焼鈍材料に相性が良いため、メーカーの推奨条件としても表記されます。欠点は可燃性ガスのため、扱いに危険が伴うことと、大量に使用する際は認可が必要だという点です。
窒素ガスは還元性はありませんので、錆びなどはそのまま残ります。窒化化合物が発生してしまうため、形状により不向きなものがあります。
脱炭作用は無いため、磁気特性が水素に比べて劣るものもあります。逆に材料に特殊コーティングなどをしているものは窒素でないと処理が出来ないものもメーカーで販売しています。 -
酸化について教えてください。
錆びにくい、という意味のステンレスも熱処理後は前に比べると錆びやすくなります。
不動態皮膜というものが温度によって失われてしまうのが原因です。材質により、酸化皮膜を熱処理でつくることも出来ますし、還元性ガス(水素)や高温で酸化を取り除くことも熱処理では可能になります。
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水素還元反応がメッキに与える影響はありますでしょうか。
ここでは無電解ニッケルメッキと水素還元熱処理の反応についてお答えします。
母材(元々の材質)とメッキの厚みによって異なりますが、母材がある程度の高温でも耐えられる場合は、メッキの厚みを均一にする拡散処理といメッキ後の熱処理があります。これはメッキの中にある微量の酸素を還元する目的もあります。
鉄、銅、真ちゅうなどで行わないのは温度により母材が膨張し、メッキが薄く伸びてしまうためです。それでいて剥がれて無くなるほどでもないため、これらの材質にメッキがついた状態から水素還元処理を行うことはあまりありません。 -
熱処理の工程変更の難易度について教えてください。
条件変更についてですが、ここでは温度と保持時間を変更するという流れでご案内します。
図面に温度条件が記載してある場合は図面発行元の顧客の承認が必要になります。変更には時間のかかる場合がよくあります。試作から開始する場合は想定条件から何度か行って条件が確定するため、後々変更する場合は比較的しやすい状況になります。
その他の処理工程に関してはご質問いただければお答えできる範囲でご連絡いたします。 -
HVの意味について教えてください。
ビッカース硬度計の測定数値になります。
焼入れしたカッター刃などですと500HV焼きなましした銅で45〜60HVとなります。
材質により、下げられる硬度に限界があるので、温度を上げたからといって40HVになるとは限りません。
アルミニウムもしくは純銅ですと、熱処理によって30-40HVくらいまでは軟化します。 -
パーカー処理可能でしょうか?
弊社ではパーカー熱処理を行っておりません。
その他、ご相談がありましたらご連絡ください。
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純鉄を焼き入れするとどうなりますか。
純鉄に焼入れ温度で熱処理をした場合でも、完全焼きなましとなり軟らかくなります。
小さな部品の場合は不完全な再結晶化になるため微量の炭素が入り込み電子部品などとして使用するのは難しくなります。丸棒や平板の場合は激しく変形してしまいます。
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SUS430の焼鈍は磁気焼鈍だけでしょうか?普通の焼鈍はしますか?またその条件は?
SUS430の熱処理は通常ですと焼鈍(軟化目的)です。
SUS430の熱処理は通常ですと焼鈍(軟化目的)です。温度は910℃以下、
保持はその質量により調整可能です。光沢感を維持するには水素もしくは真空での処理となります。 -
水素焼鈍でなぜ鋼は水素脆化しないのでしょうか。教えてください。
脆化は材質によります。
代表的なものではチタンは水素を吸い込むので熱処理しなくとも砕けてしまいます。ネオジムなど希少金属に多くみられます。水素をため込む為、水素炉から取り出したあとは例え不活性ガスで置換を行ったとしても、空気中の酸素と反応し燃え続けます。いわゆる臨界という現象になります。
それとは別に相性の良い材質は純鉄、ニッケル、モリブテン等があげられます。 -
焼きなましはどこに使われているのか教えてください。
焼きなましを行う部品は銅ですと車などに使用されるパッキン(温度が高いため、ゴムパッキンでは変形してしまうため)や、留め具としてのリベットなどがあげられます。
それ以外の焼きなましは正確な寸法が必要な部品や、とても硬い特殊な材料を削る場合などに行われます。人の力では軟らかくなっていると感じとることは難しいものがほとんどです。
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光輝焼鈍について教えてください。
一般的には還元ガスである水素を空気と置き換えて熱処理を行うことになります。
材質によっては高温でも還元作用が働くので、元々錆や汚れがなければ不活性ガスや真空でも光沢感を持ったまま、熱処理が可能です。
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高周波焼き入れについて教えてください。
コイルに電磁波を流して加熱する焼入れ方法で部品を短時間で複数個処理が可能な手法です。
部分的に焼入れしたり、硬度を変えたりすることが可能で全体を焼入れする方法よりも
硬度も高くすることが出来ます。難しい点として均一化をとるには熟練工であることや大きな部品はコイルの加熱が行き届かず不向きであることです。コイルの温度を調整することは可能ですが、このサイズはどのくらいの加熱が必要か、などは経験と実績が必要になります。 -
銅C1100P-1/4Hの熱処理について教えてください。
加工したものや目的によって異なりますが、300℃前後で軟化し、人のちからで曲げることが出来ます。
加工したものや目的によって異なりますが、300℃前後で軟化し、
人のちからで曲げることが出来ます。例えば0.2mmの薄い板を400℃で熱処理した場合は
1/4H材なら折り紙のように扱える位まで軟らかくなります。
応力を取るだけでしたら、250℃前後からテストしていく方が良いと思います。
20〜30℃の温度差でかなり差が出るうえ、一度軟化したものは元の硬さに戻らないのためです。 -
雰囲気について教えてください。
雰囲気=ガス その空間を覆っているガスのことです。
わたしたちの暮らしている空間の雰囲気は空気、ガスの種類でいうと大まかに窒素78%酸素21%アルゴン0.9%の混合ガスになります。
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保持力を小さくするのかなぜでしょうか。
磁性材(磁石にくっつく材料)は加工によって磁力を帯びてしまい、磁力の方向性がバラバラになってしまいます。
(内部歪み)このときの材料自体が持っている磁力=保磁力になります。それを下げるには純鉄ですと800〜900℃程度まで熱をかけ、ゆっくり冷やすことで内部歪みが元に戻り磁力の方向性が整います。これを保磁力が小さくなるといっています。
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焼入れの起源は何ですか?
諸説ありますが、わたしたちの考えとしては紀元前1500年頃に現在のトルコ近辺にあった ヒッタイト王国で生み出された技術ではないかとなっています。
諸説ありますが、わたしたちの考えとしては紀元前1500年頃に現在のトルコ近辺にあった
ヒッタイト王国で生み出された技術ではないかとなっています。日本へ伝わったのは紀元前0年頃の中国が持った焼入れ技術と言われています。 -
真空還元について教えてください。
真空炉では温度による金属還元が発生しますが、その材質により熱処理条件以上の温度に上げなくてはならない場合もあるので、還元処理が全て出来るという訳ではありません。
変色が激しいもの(溶接のあとなど)錆ているものは還元しにくくなります。
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加工前に試料である純鉄の熱処理は必要でしょうか。
部品の精度にもよりますが、行った方が金属特性としては良くなります。
ただし、粘り強くなるため加工が難しくなる場合もあるようです。詳しくはご相談ください。
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耐熱温度について教えてください。
熱処理炉の使用温度最高1100℃になります。
詳しくはご相談ください。
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窒素雰囲気熱処理は何に使われるか教えてください。
非鉄、特殊コーティングされている材質でメーカー推奨のあるもの、チタンなどの水素吸蔵合金、真空処理の出来ない低温度帯、真空炉の冷却用としてのガス、水素還元炉の開始、停止にも利用します。
詳しくはご相談ください。
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サーマルやサーマル化とはどのような意味でしょうか。
サーマルは熱処理、熱などという意味です。
化工は化学工業の略式になります。主に水素ガスを使用して熱処理を行っているからになります。
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インコネル時効処理前の硬さについて教えてください。
冷間圧延のままですと 250HV程度になります。
メーカーにより固溶化処理を行っている場合ですと180-230HVくらいではないかと思われます。販売会社にお問い合わせいただく事で正確な数値が分かります。
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アニール処理の特長について教えてください。
磁性材料(磁石にくっつく材料)は部品にした場合に帯びる磁力を整えることが出来ます。
ステンレスは部品するときに発生する割れ防止やひずみを軽くするために行います。
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純鉄の焼入れにより組織がどうなるか教えてください。
純鉄は炭素量が少ない為、焼入れと同等の熱処理を行っても硬化せず、組織は不完全な再結晶状態になるため残留した炭素が表面近くや組織に残る形になります。
硬度にバラツキが起こる。部品の場合、歪みが大きくなる。とても錆びやすくなる。など金属特性が失われる組織となってしまいます。組織自体は面心立方格子構造から変化は少なく、色々な熱処理条件のサンプルと比較しないと焼入れと同様の処理をしたのかは分かりにくいと思われます。
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純鉄の焼入れは可能ですか?
熱処理の焼入れという工程で硬くすることは出来ません
それとは別に「浸炭窒化」という熱処理があり、表面を硬くすることが可能です。ただし、焼入れほどの硬さを深く芯まで行うことや、硬さを調整することは出来ません。
また専用の設備が必要になるので焼入れ作業よりも場合により高コストになることもあります。 -
パーメンジュールについて教えてください。
パーメンジュール鉄50 コバルト50の合金です。
メーカーによって配合比率は変わります。水素雰囲気中で熱処理を行うとやや黒く輝く被膜に覆われます。水素還元はその材質により温度が異なります。還元力を高めるには温度が高く、時間が長いほうが良い結果になります。
還元力の一つの基準として水素の露点を測る方法があります。露点=わたしたちの世界でいう湿度になります。 -
純銅の熱処理についてについて教えてください。
純銅は水素、窒素に区別なく処理可能です。
応力除去 250°C前後から完全焼きなまし450°Cまで幅広い熱処理温度帯があります。それ以上になると脆化する恐れがありますので、上げすぎには注意が必要です。
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浸炭焼き入れの始まりは何ですか。
1722年 フランスで製造法が開発されましたが、当時は均質性を欠いておりその後改良が加えられました。
その応用から低炭素鋼に浸炭する技術が始まります。1868年に焼入れ限界点が発見され1895年に磁気変態点が発見されていることから、このあとに開発が進むことになります。
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VACOFLUX50の磁気焼鈍に対応できますでしょうか。
サイズ上限(330x330程度まで)はありますが、処理は可能です。
詳しくはご相談ください。
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磁気焼鈍とはどんな処理か教えてください。
部品加工によって結晶構造が乱れてしまった内部歪みを温度を上げることによって元に戻すことになります。
磁性材(磁石にくっつく材料)に行われる熱処理で、電磁石の芯などを造る工程の一部になります。(その他にも行われる部品や用途は数多くあります)
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金属とは何ですか。
常温で固体、熱伝導率の高い物質の総称になります。
該当しないものもありますので、それらは分けて〇〇金属などの表記になります。
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AN-M-Vについて教えてください。
磁気焼鈍 真空炉 の略と思われます。
詳しくは炉メーカーにお問い合わせください。
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炭素鋼(S-C材)の加工後の磁気焼鈍処理で材料の比透磁率が大きく変わるのでしょうか
透磁率は材料により最大値が決まりますので、C量が多い材料ですと磁気焼鈍を行ったとしてもその値には限界があります。
C量は0.03%以下が望ましいです。
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アルゴン雰囲気について教えてください。
アルゴンガスで炉内を充填させることです。
材質に関わらず、材質表面、内部に変化を起こしにくいガスになります。
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連続炉について教えてください。
連続式コンベア炉になります。
焼入れ炉ですと大気炉や燃焼炉があり出口に冷却槽があります。焼きなまし炉ですと炉内をガスで充填させる雰囲気炉になり、投入口から加熱域、冷却域までつながっているトンネルになりその中をコンベアベルトが動いていく仕組みです。
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熱処理はどんな時に用いられますか?
サーマル化工では、硬すぎて削れない材料を少しだけ軟らかくすることと、電子部品が正確に効率よく動くために熱をかける、の2つの熱処理が主になります。
他ではドリルを硬くしたり、刃物の切れ味を上げたりする、などかなり身近なものに行われています。
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A0変態点について教えてください。
現在はあまり使用されていませんが、セメンタイトの磁気変態点で210℃になります。
詳しくはご相談ください。
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L/T(エルT)について教えてください。
熱処理炉のことを指します。
その場合ですが、低温炉 100〜500℃程度の加熱が出来る炉を指します。メーカーにより温度や形状、雰囲気か大気かは異なりますが、真空炉ではあまり見かけない温度帯の炉になります。
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ステンレスを熱処理して得られる特性について教えてください。
オーステナイト系ステンレス鋼応力除去(バネ性向上)。
軟化焼鈍(加工割れ防止、歪みとり)。固溶化(歪みとり、耐食性向上)。マルテンサイト系ステンレス鋼焼入れ(硬化処理 刃物など)。フェライト系ステンレス鋼焼きなまし(軟化処理 リベット、家具など)。析出硬化系ステンレス鋼表面硬化(耐摩耗性 焼入れより硬度は劣る)。などが代表的なものになります。
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還元は試料から酸素を奪うことを差すと思いますが、逆に酸化は試料から何を奪うのでしょうか。
酸素は鉄と結合するので錆を引き起こします。
年月が経つと細かく削れていくので、かなり長い期間にはなりますが最終的に砂鉄に戻ります。
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ポット炉とは何ですか?
縦型円形状の熱処理炉になります。
呼称は各会社により異なります。
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析出硬化についてについて教えてください。
析出硬化の代表的なものはベリリウム銅、ステンレスの630 631 アルミニウム合金などになります。
どれも複数元素が熱処理によって表面付近で混ざる(といったイメージで)材質により元の硬度より硬くなることです。一部の材料は市販される段階で3元以上の合金を固溶化(混ぜ合わけている感じです)したものが流通しています。
そのため硬度は落ちるものの、加工しやすくなっています。その後、完成品に硬度を持たせたいといって開発されたのが析出硬化か可能な材料になります。 -
析出硬化処理について簡単に教えてください。
温度と時間で何らかの成分が金属表面近くで硬くなることです。
硬くならない場合は鋼から炭素が析出して純鉄になることや、ステンレスからクロムが析出してサビやすくなることもあります。熱処理=析出処理。
その結果、銅などは硬くなる(ものもあります)それを析出硬化と呼んでいます。 -
マルテンサイトについて教えてください。
炭素が一定量以上入った鋼を熱して急冷をかけると出来る結晶構造になります。
元の結晶は軟らかいオーステナイトという組織ですが、それに炭素が潜り込むことでマルテンサイトになります。熱処理でいう、焼入れをすると得られる鋼の特性です。
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炉の仕組みについて教えてください。
サーマル化工では、マッフルという密封容器部に各種ガスを流し、空気を追い出す仕組みを使用しています。
そのマッフルを電気炉に設置し加熱するピット炉と長いトンネル状の形状でベルトコンベアで
製品を投入していく連続炉があります。連続炉も同じく各種ガスを流し続けることで空気の侵入を遮断する仕組みです。 -
熱するとなぜ磁性が生まれるのか教えてください。
磁性材料が磁性を帯びるのは加工による衝撃などです。
熱処理では磁性を帯びることはあまり無いとの認識です。
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浸炭について教えてください。
金属面から炭素を浸みこませる処理で、ガス浸炭や真空浸炭など材質によって処理温度などが変わりますが、行うには専用の設備が必要になります。
詳しくはご相談ください。
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水素は循環しますか
サーマル化工では循環ではなく、放出になります。
サーマル化工では循環ではなく、放出になります。循環設備の保有はありません。
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中性雰囲気について教えてください。
弊社で使用しているものは窒素ガスになります。
他、アンモニア分解なども熱処理では使用します。
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SUSなどに水素還元をして表面積が増加するようなことはありませんか。
熱膨張率に関係すると思われますので、熱処理を行う上では変化が起こります。
水素で変化するとすれば希土類を含む金属になります。
水素を吸蔵するため激しい脆性が起こります。 -
水素を使用する理由について教えてください。
金属の還元を含む熱処理を目的としている部品に行います。
詳しくは水素還元処理の記事を確認ください。
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一般的なガスの露点について教えてください。
弊社使用で-60℃入口-50℃出口となります。
処理部品などにより異なります。
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酸素分圧が低い方が還元されますか。
還元性ガスで熱処理を行わないと酸素量に関係なく還元は難しくなります。
ご依頼いただいている部品の還元度合いは顧客の基準によります。
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磁気焼鈍とはについて教えてください。
磁性材料(磁石にくっつく材料)の加工後に起こる内部歪みを元に戻す熱処理です。
磁性材料(磁石にくっつく材料)の加工後に起こる内部歪みを元に戻す熱処理です。
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応力除去焼鈍について教えてください。
加工で硬化や歪みを軽減する熱処理です。
材質により温度は異なります。サイズや加工内容により温度を選定を両者間で決定するため条件はそれぞれになります。
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磁気焼鈍一回にかかる電力量を教えてください。
その設備や処理質量によって大きく異なります。
電気量はそれに比例すると思われますが、200kgの質量を処理する通電時間はおおよそ8時間程度が弊社の平均になります。
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磁気焼鈍後に磁化してしまう原因はなんですか?
純鉄やパーマロイなどの磁性材料の場合は加工後の強い衝撃になります。
追加工や落下など原因は様々です。低炭素鋼やステンレスの場合、磁気焼鈍の工程が不十分と考えられます。またオーステナイト系ステンレス鋼は加工で磁化すると磁力を落とすのは困難になります。
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真空について教えてください。
真空炉は真空ポンプで炉内の空気を抜き、加熱する炉になります。
1000℃以上の高温処理が多くなります。
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水素で脱炭は可能でしょうか。
脱炭は可能です。
低炭素鋼で合金、オーステナイト系ステンレスなどになるとあまり結果が良くないこともあります。また高炭素鋼になると相当の時間を有することになります。
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大気中での熱処理で表面が酸化することはありますか。
大気中での熱処理は酸化します。
その酸化を利用して表面に酸化被膜をつける熱処理もあります。
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焼入れできるステンレスについて教えてください。
マルテンサイト系ステンレス鋼になります。
以下コードのみになりますが、420J2の依頼が多くなります。続いて416です。各鋼材メーカーにより独自のブランド名称がありますのでどのJISに相当するかはサイトなどで確認お願いします。
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脱ガスについて教えてください。
メッキ後のベーキング処理で行われる処理で使われる用語になります。
詳しくはご相談ください。
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異種金属の溶接後の熱処理温度について教えてください。
二つの材質が各々どのようなものか、熱処理の目的はどのようなものか、形状により異なります。
そのため基準になる温度設定も探していくことになります。
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露点とはなんですか?
熱処理で使用している水素ガスですと-60℃前後が望ましく、 その温度まで冷やさないと結露を起こさないくらい水分量が少ないことになります。
詳しくはご相談ください。
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磁気熱処理(水素熱処理)ができる形状について教えてください。
難しい形状はコイルで溶着不可のもの、溶接しているもの、旋盤加工の薄い板のものなどになります。
加工歪みが解放され、膨張するため交差の厳しいものはどの時点で熱処理を行うか、磁気焼鈍なのかは相談して決めています。
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パーマロイの熱処理方法について教えてください。
PB PC 1050から1100℃ 2から3時間保持の依頼や図面記載が多くなります。
雰囲気は水素です。その他のガス指定はありません。
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結晶成長について教えてください。
金属部品の熱処理では結晶成長はありません。
結晶成長させるための実験を行うために温度を上げることはあるようですが、実績はありません。
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SWCHの磁性について教えてください。
末尾の数字と加工後の形状によって磁性の帯び方(保磁力)の数値が変わります。
ただし、熱処理後も元の数値によります。
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磁気焼鈍と普通の焼鈍の違いを教えてください。
焼鈍とは軟化する全ての材質に行われる熱処理です。
磁気焼鈍とは磁性材料、磁石にくっつく材料の磁力を正すための熱処理です。焼鈍は硬すぎて加工しにくい材料を軟かくする目的に対し、磁気焼鈍は磁力を正すときに軟かくなってしまいます。
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鉄はいつ生まれましたか。
製品として発見されているものは紀元前5000年くらい前です。
今の精錬の基礎となっている鉄を造っていたのは紀元前1500年程前のヒッタイト王国といわれています。
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500度一時間の耐熱試験をしたいのです。
金属もしくは金属粉相当の材質で炭化、燃焼、溶解のないものでしたら熱処理対応可能です。
詳しくはご相談ください。
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窒素を使うことで金属の酸化が防げるプロセスを教えてほしいです。
熱処理を開始する前に炉内の空気と窒素を置き換えます。
その後も窒素を流し続けて熱処理を行うことで酸素と金属を触れることを防ぐことが可能になります。
材質によっては微量の酸素でも酸化するものもありますのでステンレスなどは水素もしくは真空で行うことが多くなります。 -
SUS304の鍛造・切削品において、応力除去焼鈍処理は、 通常、鍛造と切削加工の間に行われますでしょうか。それとも切削工程の後の最後の工程で行われますでしょうか。
現在ご依頼されているものとしては、 荒加工後に支給されその後に最終仕上げという流れと思われます。
鍛造→加工→熱処理→仕上げ加工ではありますが加工がどの程度までかはその会社様によって異なっています。
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INCONEL718の応力除去について教えてください。
メーカーでは焼鈍となっており、950℃から1050℃の間になります。
保持1時間で真空中を推奨しています。これは材料段階で施されている場合があります。
加工応力の除去を依頼された実績はなく、焼鈍→加工→時効硬化の流れになっています。 -
脱炭について教えてください。
S10C以上の炭素鋼ですと結果が分かりやすくなりますが、低炭素鋼ですと脱炭作用は低く、高炭素鋼は脱炭に時間を要することになります。
熱処理全体の時間を長くすることが重要ですが、その部品サイズにより異なります。
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窒素の露点について教えてください。
工業用窒素ガス投入口で-60℃、液化窒素で-70℃になります。
この後に熱処理する部品によって露点はプラス側の数値となり酸素や水分が多くなっている状態となります。炉からのガス放出口は露点測定器で測ることが可能です。
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中間焼鈍について教えてください。
加工硬化で歪みを軽減されるための熱処理です。
多くはオーステナイト系ステンレスの粗加工後に行われたり、磁性材料で精度の高い部品に行われます。完全焼鈍より温度を低く設定しますが、この温度は最終仕上げに繋がってくるため部品と顧客によりバラバラです。
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特殊ガスを使った熱処理例はありますか?
水素、窒素、アルゴンをベースに別種のガスを混合させたものでの熱処理はあります。
炉体が金属製であることや排気設備の点では酸素や一酸化炭素などは扱うことが出来ません。ヘリウムは希少価値が高く医療向け以外は使用を制限されているため熱処理では実績無しとなります。
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一番最初に使われた金属について教えてください。
世界最古のものですと、金になります。
ただし金は風化しにくいので発見され、それ以外の金属は風化して発見されていないだけではという説もあります。
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A5056をアニール処理する場合に水素雰囲気は可能でしょうか。
A5056を水素雰囲気で熱処理することは可能です。
熱処理で変色しにくいのと融点が低いため大気炉で処理を行うことが多くなります。還元する温度まで上げられないため、使用することはほとんどありません。
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マルテンサイトについて教えてください。
炭素の入った鉄、鋼を焼き入れ処理することによって出来る組織です。
硬く刃物などの内部組織ですが、強い衝撃にはもろく砕けやすくなります。
また強い磁性を帯びているのも特徴です。 -
スケールによる脱炭について教えてください。
脱炭のメカニズムは、鋼材を加熱する際に空気中の酸素と鋼材表面の炭素が結合し、 炭素が失われる現象です。
そのため、熱処理対象物以外にスケールのあるものが同じ炉に入っていると脱炭が進みます。
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鉄について教えてください。
炭素量0.02%以下の鉄、その他五元素を合わせたものを鉄と呼んでいます。
詳しくは別の記事で解説しております。
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脱炭のメリットについて教えてください。
純鉄に近いほど磁気特性が向上するため精度の高い電子機器などに選ばれます。
磁気特性が劣化する要因の一つとして炭素量が多いことが上げられるためでもあります。
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黄銅の応力除去の条件について教えてください。
250℃以上350℃以下になります。
詳しくはご相談ください。
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SUS316の応力除去方法を教えてください。
当社では固溶化温度以下、1000℃以下で行っています。
詳しくはご相談ください。
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磁化について教えてください。
磁性材料を加工することによって結晶構造が歪むことです。
詳しくは別の記事でも解説しております。
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インコネルの熱処理について教えてください。
サーマル化工で行っている熱処理は718と750xになります。
時効硬化処理で718 720℃8時間→620℃10時間、750~704℃20時間(共に保持時間のみの表記です)の指定での処理があります。
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浸漬について教えてください。
液体(サーマル化工では溶剤)に漬けておくことです。
詳しくはご相談ください。
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磁気焼鈍と窒化処理はそもそも異なる処理方法ですか。
磁気焼鈍は加工によって歪んだ結晶を再結晶化させて磁気特性を向上させる熱処理です。
一方、窒化処理は表面に窒化層を形成させて耐摩耗性を上げる硬化処理のひとつです。窒化処理は専用の設備が必要となります。
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焼鈍の目的について教えてください。
加工硬化による割れ、歪み、応力を戻す、取り除く目的が多いと思われます。
詳しくはご相談ください。
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1番最初の金属はなんですか。
約1万年前の金になるかと思われます。
その他の金属が存在していたとしても、風化して発見することが難しいためなので発見できた最古の金属は金ではないかということになります。
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析出硬化処理について教えてください。
SUS630.631.632 C1720 1730 など材質で決まっている熱処理です。
温度によって出来る析出層が硬化することで温度はJISもしくはメーカー推奨温度で決まっています。焼き入れと異なる点は硬さの調整は難しく、こちらもほぼ材質毎に決まっているものです。
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鉄が初めて開発された場所はどこですか。
使用されたのは現在のトルコ周辺で4000年位前になります。
現在のように色々な部品に開発したとなると2000年前に繁栄した黒海北部にあったヒッタイト王国になります。
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試料の純度の違いにより、析出硬化の起こりやすさは決まっていますか。
熱処理で析出硬化する材質は決まっています。
純度というものではありませんが、各鋼材会社で成分はわずかですが異なります。それによって極端に硬度が変わることはありません。析出硬化する鋼材をつくるとなると、溶解炉が必要になりますので純度に関しては鋼材会社様独自の技術です。
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析出硬化処理は完成品に行うのでしょうか。
ほとんどの場合、完成品に行っています。
一部析出色が発生するものは表面処理、ブラストなどを施し銀面を出している場合もあります。
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SUS304を熱処理するとどうなりますか?
固溶化処理では材料段階と変わらない耐食性を持ちますが、軟かくなってしまいます。
また応力除去を行った場合では加工歪みを取ることが出来ますが、耐食性はやや落ちてきます。熱処理方法を間違えると全ての金属特性を失い、やや錆びにくいだけの鉄になってしまいます。完成品を固溶化処理すると寸法が外れてしまう可能性が高くなります。
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浸炭について教えてください。
浸炭にはガス、ソルト、真空と材質と目的によって設備が異なります。
一般的にはガス浸炭で構造用工具鋼、快作鋼などの硬さを調整する目的で行われます。材質によって浸炭が深く入るかどうかは異なります。全ての材質が同じ硬度に出来る処理なわけではありません。
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インコネル718の熱処理はできますか?
時効硬化処理は実績がございます。
固溶化後の加工部品のみでサイズ制限があります。また表面色が析出により変化します。
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アルゴン雰囲気の熱処理について教えてください。
アルゴンは不活性ガス呼ばれるもので熱処理を行っても金属表面に変化はありません。
そのため熱処理で変化を求めず酸化を防くために使用されます。焼鈍や応力除去を行う場合で使用されますがガス価格が高いのが難点です。
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人類の歴史の中で二番目に早く普及した金属はなんですか?
銅と思われます。
融点が低く加工はしやすかったと考えられますが、定かではありません。
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磁気焼鈍の意味について教えてください。
磁気焼鈍とは内部歪みを元に戻すことで磁性材料の特性を活かす熱処理です。
熱処理言語のひとつになりますので用語に意味はありません。
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窒素雰囲気下による還元反応についてについて教えてください。
窒素雰囲気下では還元作用は起こりません。
熱処理で何も変化なく仕上げるための雰囲気になります。
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インコネル718析出硬化処理後のHRCはどのくらいについて教えてください。
形状にもよりますが弊社実績では42から44です。
詳しくはご相談ください。
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swch-6rの焼鈍について教えてください。
焼鈍は650℃から700℃保持時間は重さにより1から3時間程度で処理を行います。
磁気焼鈍は800℃から850℃3時間保持。どちらも炉冷を行ないます。出来れば水素雰囲気が良いのですが、焼鈍の場合でしたら窒素雰囲気でも問題ありません。温度が低いので真空炉を使用することはあまりありません。
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磁気焼鈍と応力緩和焼鈍の違いについて教えてください。
材質と温度の違いがあります。
磁性材料、磁石にくっつく材料の内部応力を元に戻すのが磁気焼鈍で、磁性、非磁性含む、鉄、ステンレス、アルミ、銅などの外部応力を慣らすのが応力除去と呼んでいます。
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SUS304は熱処理必須ですか?
必須ではありません。
材料はオーステナイト組織になりますので金属特性が出ている状態です。加工歪みなどが起こる場合は熱処理で応力除去を行います。
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水素の排ガスはどう処理しているか教えてください。
処理中の水素は常に流れている状態ですのでそのまま大気放出になります。
水素は非常に環境にも優しい雰囲気です。
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還元雰囲気について教えてください。
水素ガスで容器内を充填させた状態のことす。
詳しくは別の記事で解説しております。
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パーマロイを磁気焼鈍するかしないかでどれくらい透磁率が変わりますか?
熱処理の有無での透磁率や保磁力を測定するためにはテストピースで行います。
実際の部品は測定が難しいため正確な数値ではありませんが、3から5倍程度の差がでると思います。透磁率の数値というよりはエネルギーの損失率、ヒステリシスの数値化から計算になります。
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雰囲気とはどういう意味ですか?
ガスのことです。
私たちも空気という雰囲気の中で生活しています。
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SPCEの磁気焼鈍の方法について教えてください。
雰囲気もしくは真空で800℃以上、1時間以上の熱処理後、時間150℃以下でゆっくりと冷やします。
550℃以下になったら強制空冷で早く冷やすことも可能です。
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インコネル601時効硬化処理について教えてください。
601は焼鈍980℃と固溶化1150℃の二通りになります。
硬化処理はありませんので、冷間加工と焼鈍を繰り返して硬さを調整します。
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SUS304の処理温度は何度ですか?
固溶化は1010℃以上。保持は任意(急冷)。
応力除去は1010℃以下。900℃程度まで保持は任意(急冷)
cspバネ材の場合、300℃から400℃までの間でテンパー処理というものもあります。こちらも保持は任意です。おおよそですが、1時間程度までの保持時間が多いと思われます。 -
ステンレス鋼の熱処理の方法について教えてください。
オーステナイト、フェライト、マルテンサイト等材質によって異なります。
オーステナイト、フェライト、マルテンサイト等材質によって異なります。
SUS304の固溶化ですと1100℃程度で急冷します。詳しくはご相談ください。 -
焼鈍で脱炭しますか。
はい、脱炭します。
条件によっても異なりますので、詳細をご相談ください。
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磁気焼鈍後の検査項目について教えてください。
保磁力と温度チャートになります。
研究開発実績も多数あり、お客様の求めるデータの開示が可能です。
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HA・Hについて教えてください。
HAは焼きなましになり、Hは調質に当たります。
熱処理業界で使用される専門用語になります。
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チタンの熱処理はできますか。
温度条件や表面変化などがありますが、熱処理は可能です。
詳しくはご相談ください。
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保磁力の数値化はされるものでしょうか、教えてください。
専用の装置で測定可能です。
詳しくはご相談ください。
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パーマロイの成分を教えてください。
B 45ni-fe/C 78ni-feが代表的なものです。
その他の添加剤はメーカーによってことなり、詳細は各社カタログ等でご確認ください。
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磁気焼鈍について教えてください。
磁性材料、磁石にくっつく材料などは加工によって磁化してしまうため、その結晶構造を元に戻す熱処理になります。
詳しく解説した記事などもありますので、ご参照ください。
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鋭敏化について教えてください。
焼き入れを行った際に、結晶構造がマルテンサイトという硬く脆い組織に変化することを指します。
詳しくはご相談ください。
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磁気を強くする方法を教えてください。
磁性材料は磁化の強弱を行う材料になり、熱処理と材料の特性によって異なります。
目的により異なりますので、磁性材料でお調べ下さい。また、強磁性材料で磁力を強くするのは着磁を行う会社様になります。こちらも材料により磁力の強度は変わります。
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ステンレスの焼鈍は対応可能でしょうか。
サイズに制限はありますが行っています。
サイズに制限はありますが行っています。長尺、大物、パイプなどは難しい場合があります。また焼鈍温度によっては表面色が変化します。
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析出硬化処理は行われていますか?
熱処理は可能ですが、一部のステンレスでは表面の色に変化が表れます。
詳細はお問い合わせください。
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炉内加熱で使われる耐火物について教えてください。
B-5という規格になります。
詳しくは各社炉メーカーにご相談ください。
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磁性ステンレスの熱処理で特性管理の難しい点を教えてください。
電磁ステンレスは耐食性を高めているため、磁気特性は一定です。
温度と保持、冷却速度を各社の推奨値で行っていれば問題ありません。
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Fe-c系平衡状態図について教えてください。
縦軸温度、横軸炭素量で示す、熱処理を行った際の組織図です。
詳しくは別の記事で今後解説予定です。
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大気焼鈍で光沢が出る可能性はありますか。
一般的な鋼材、鉄、非鉄では光沢感は出ません。
詳しくはご相談ください。
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水素雰囲気で加熱したらどうなりますか。
金属を熱処理した場合ですが、見た目の変化はありません。
酸素が無いので焦げるという現象が存在しない雰囲気になります。
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酸化スケールの密着性について教えてください。
スケールに関しては均一に密着、厚みを持たせることは非常に困難です。
同一のサイズだけを一つのバッチで処理することと、材質は高ニッケル材が安定して酸化被膜を覆う必要があります。
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液体窒素ガスの水分含有量を教えてについて教えてください。
熱処理で使用すると配管を通して温まり膨張するため水分量=露点は高くなります。そこでは計測可能な水分量を計算することが
詳しくはご相談ください。
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脱炭のメカニズムを教えてについて教えてください。
加熱すると酸素と金属の炭素が結合して析出するので炭素が無くなります。
また水素や窒素で行っても同様に脱炭が起こります。炭素鋼の焼き入れを行う際に脱炭をなるべくさせないのは熱処理技術になります。
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黄銅の180℃での焼鈍は効果がありますか?
180℃での焼鈍に変化はありません。
材質により変態点という温度があり、その温度を超えない限り変化は無いという定義になります。変態点は200℃前後になります。
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IA処理とは、また焼準について教えてください。
焼きならしといわれる焼鈍処理ですが、主に歯車などに行われて割れや歪み防止の目的になります。
その後に軟窒化処理を行う場合がほとんどです。
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Fe-Cr-Co合金の磁場中熱処理はされていますでしょうか。
設備保有がないため処理が難しいです。
その他、ご相談がありましたらご連絡ください。
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焼鈍すると硬さはどうなるか教えてください。
材質により異なります。
焼き入れをする材質、炭素鋼の焼鈍は難しくなります。
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溶体化処理について教えてください。
オーステナイト組織を常温のままでも維持出来るようにする熱処理です。
おもにステンレスで行われ、錆びにくくすることが目的です。
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抗磁力・焼きなましについて教えてください。
保磁力と同意語になります。
磁場中で最大飽和したあとに反転磁場をかけると元に戻ろうとします。その時、スタート地点よりずれて戻ります。これが保磁力の数値になります。この数値を低くする熱処理が磁気焼鈍、この数値が関連せず、軟化させる熱処理を焼きなましと呼んでいます。
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焼き入れについて教えてください。
炭素鋼を硬くなる組織で熱して、急冷することで硬化させる熱処理です。
炭素が0.28%以上入っていることが条件になります。
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歪取り焼鈍で硬度は変化しますか。
材質にもよりますが、軟化する場合が多くなります。
詳しくはご相談ください。
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冷却するときの質量とはどのようなものでしょうか。
処理するワークの重さになります。
一つで重いものとなると、水温を下げるしかありませんが、ワークが複数の場合はその数を減らす方法をとります。
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インコネル718の焼鈍について教えてください。
982℃1時間です。
詳しくはご相談ください。
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ポット炉で投入するガスを途中で変えることは出来ますか?
加熱途中のガス切り替えは行っておりません。
加熱途中のガス切り替えは行っておりません。冷却中に水素から窒素などへ置換することは標準工程としておこなっています。
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ポット炉と連続炉の違いはありますか?
ポット炉は一つの温度条件で完了します。
ポット炉は一つの温度条件で完了します。連続炉は段階的に温度を変更できるため複数の条件を数日間かけて処理することが可能になります。
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ポット炉と連続炉の使い分けはどのような理由でしょうか?
主に製品サイズが投入可能かどうかで分けている事例が多くなります。
主に製品サイズが投入可能かどうかで分けている事例が多くなります。形状にもよりますが、磁気特性に大きな差はありません。
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「残留磁束密度」の意味について教えてください。
磁性材料を磁化して磁場が0になった際に残っている磁束密度のことです。
記号:Br。単位:T。外部磁場がゼロになった後も磁性体に残る磁束密度のこと。磁化曲線の縦軸との交差点。
※磁束密度:単位面積あたりの磁束を(密度)の値で、磁界の強さ=「磁束線の密度」のこと。
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「実効透磁率」の意味について教えてください。
交流磁場における透磁率のこと。コイルや磁気回路全体の磁気特性やコアの形状などを踏まえた実数値となります。
記号:μe。複素透磁率とも呼ばれ、交流磁場における回路全体、またコア形状などを踏まえた透磁率のこと。
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「インダクタンス」の意味について教えてください。
コイルや磁性体における交流の抵抗、電磁誘導の度合のことです。
記号:L。単位:H。コイルや磁性体が電流変化に対して、どのくらい電磁誘導が発生するかを表す電磁誘導の度合のこと。ヘンリー(H)で測定されます。
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「保磁力」の意味について教えてください。
磁束密度(B)が0になる逆磁場の大きさ(あるいは強度)のことです。
記号:H。単位:A/m。残留磁束密度Brをゼロにするのに必要な磁界の強さHを保磁力HCと呼び、残留磁束密度をゼロにするために必要な逆向きの磁場強度のこと。数値が低いと優れた軟磁性材料といえます。
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「鉄損」の意味について教えてください。
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「コアロス」の意味について教えてください。
主にヒステリシス損と渦電流損からなる磁性体のコアにおける損失の総称のことです。
記号:Pc。単位:KJ/m3乗。主にヒステリシス損と過電流損の合計のことです。(Pc=Ph+Pe)
※ヒステリシス損:交流磁場化において、消費されるエネルギー損失のこと。
※過電流損:交流磁場の電磁誘導による過電流により消費されるエネルギーロス。
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「渦電流損」の意味について教えてください。
交流磁場の電磁誘導による過電流により消費されるエネルギーロスのことです。
記号:Pe。単位:KJ/m3乗。交流磁場において、電流が流れることで磁性体やコイル内で発生する過電流のエネルギー損失です。主に熱として放出されます。
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「ヒステリシス損」の意味について教えてください。
磁性体が磁化と脱磁を繰り返す際に発生するエネルギー損失のことです。
単位:Ph。単位:KJ/m3乗。交流磁場化において、消費されるエネルギー損失のことです。
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「最大透磁率」の意味について教えてください。
磁性体が特定の磁場強度で示す最も高い透磁率のことです。
記号:μm。単位:H/m。初磁化曲線状で最大となる透磁率。
※透磁率:物質の磁化のしやすさを数値で表わす数値。
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「初透磁率」の意味について教えてください。
磁場が非常に弱いときの透磁率のことです。
記号:μi。単位:H/m。磁場の小さいところでの透磁率。
※透磁率:物質の磁化のしやすさを数値で表わしたもの。
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「透磁率」の意味について教えてください。
磁性体の中を磁束がどのくらい通過しやすいかを表します。磁束密度と磁場の比で表されます。
記号:μ。単位:H/m。物質の磁化のしやすさを数値で表わしたもので、磁場で磁化されやすく、取り除くと戻りやすいものが軟磁性材料です。
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「最大磁束密度」の意味について教えてください。
磁性体が外部磁場によって到達し得る最大の磁束密度のことです。
記号:Bm。単位:T。特定の磁場でにおける最大の磁束密度です。
※磁束密度B(単位T):単位面積あたりの磁束を(密度)の値で、磁界の強さ=「磁束線の密度」のことを「磁束密度」といいます。
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「飽和磁束密度」の意味について教えてください。
磁性体が磁化され、磁化がそれ以上増加しない状態での最大の磁束密度のことです。
記号:Bs。単位:T。磁性材料を磁化したときの磁束密度の飽和値のことです。
※磁束密度B(単位T):単位面積あたりの磁束を(密度)の値で、磁界の強さ=「磁束線の密度」のことを「磁束密度」といいます。
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「ソルバイト」の意味について教えてください。
ソルバイトは鉄の組織構造の一種です。
ソルバイトは、マルテンサイトを適切な温度で焼き戻す(温め直す)ことでできる、柔らかくて丈夫な構造です。
ソルバイトは鉄鋼は強さと柔軟性のバランスが取れた状態と言えます。ソルバイトは、350〜600℃での焼き戻しによって得られます。焼き戻すことで、内部応力が低減し、材料の靭性が向上します。焼き戻し温度と時間を調整することで、望ましい機械的特性を得ることができます。
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「セメンタイト」の意味について教えてください。
セメンタイトは鉄の組織構造の一種です。
セメンタイトは、鉄と炭素が一緒になってできるとても硬い組織構造です。セメンタイトは、特に硬さが求められる機械部品や工具に使われます。セメンタイト(Fe₃C)は、炭素含有量が6.67%の化合物になります。
熱処理の過程でセメンタイトが適切に形成されると、材料の耐摩耗性が向上します。しかし、過剰なセメンタイトは材料を脆くするため、バランスが重要です。
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「パーライト」の意味について教えてください。
パーライトは鉄の組織構造の一種です。
パーライトは、フェライトとセメンタイトが層状に交互に存在する組織構造です。パーライトは、約0.8%の炭素を含む鋼がゆっくり冷却されるときに形成されます。
パーライトの層状構造は、材料の引っ張り強度と靭性をバランスよく提供します。さらに、パーライトの生成速度や温度を調整することで、微細なパーライト(ソルバイト)や粗大なパーライト(ラメラーパール)を形成し、材料の特性を調整できます。
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「変態点」の意味について教えてください。
変態点は、鉄鋼がある温度や条件で別の形に変わる温度・ポイントです。
この温度を知っておくことで、鉄鋼の性質をうまく調整することができます。たとえば、強くしたり柔らかくしたりするのに役立ちます。鋼の変態点は炭素含有量や合金元素の影響を受けます。
具体的には、オーステナイトからフェライトへの変態点(Ac₃点)や、マルテンサイト変態開始点(Ms点)が重要です。これらの変態点を理解することで、適切な熱処理プロセスを設計し、材料の最適な特性を引き出すことが可能です。
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「マルテンサイト」の意味を教えてください。
マルテンサイトは鉄の組織構造の一種です。
マルテンサイトは、オーステナイトを急に冷やすとできる組織構造です。非常に硬くて丈夫な特性を持つ一歩で、その分もろくなることもあります。マルテンサイトは、包丁や工具など、硬さが必要なものに使われています。
炭素含有量が高いほど硬度が増しますが、同時に脆さも増します。マルテンサイト形成には急冷を行う必要があります。
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「残留オーステナイト」の意味について教えてください。
残留オーステナイトは、鉄鋼を熱処理して冷やしたときに、完全に変わらずに残ってしまうオーステナイトです。
残留オーステナイトが残っていると、鉄鋼の特性に影響を与えることがあります。適切な熱処理を行うことで、この残留オーステナイトを減らすことができます。
残留オーステナイトの量は冷却速度や炭素含有量によって変わります。例えば、急冷すると残留オーステナイトが増加しやすくなりますが、適切な焼き戻しを行うことでその量を減少させることができます。
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「オーステナイト」の意味について教えてください。
オーステナイトは鉄の組織構造の一種です。
オーステナイトは鉄の高温状態における組織構造で、面心立方構造(FCC)を持ちます。高温で安定し、冷却することで、マルテンサイトなどの構造に変わります。非磁性であり、ステンレス鋼の主成分として重要な役割をもちます。主に鉄にニッケルやクロムを加えることで安定化し、高温での耐食性や機械的性質を向上させます。
原子間の隙間が大きいことから、炭素を取り込みやすい状態にあります。
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「フェライト」の意味について教えてください。
フェライトは鉄の組織構造の一種です。
フェライトは常温で安定し、体心立方構造(BCC)となっているため、磁性を持ち合わせています。炭素含有量が0.02%以下の低炭素鋼ではフェライトが主成分となります。低炭素含有量のため、硬度や強度は低いですが、その柔軟性と加工性が高いことが特徴です。
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不活性ガスについて説明してください。
不活性ガスとは、化学反応において他の物質とほとんど反応しない特性を持つガスのことを指します。
代表的な不活性ガスには、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどがあります。これらのガスは、周期表の18族元素(貴ガスとも呼ばれる)に属しており、その電子配置が安定しているため、他の物質と反応しにくいです。
不活性ガスは、化学反応を避けたい環境や高純度の製品を得るための保護ガスとして広く利用されています。例えば、アルゴンガスは、溶接時に金属が酸化するのを防ぐためのシールドガスとして使用されます。
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還元性ガスについて説明してください。
還元性ガスは、化学反応において他の物質を還元する能力を持つガスのことを指します
代表的な還元性ガスには水素、一酸化炭素、アンモニアなどがあります。還元性ガスは、酸化を防ぐために使用され、金属表面の酸化皮膜を除去するのに役立ちます。
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水素雰囲気熱処理を窒素でおこなった場合はどうなりますか?
材質よって異なる変化が発生します。
純鉄では表面だけでなく、内部に窒化化合物の形成が起こります。合金は金属表面の光沢感も失います。
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ステンレスの硬度を上げることは可能ですか?
場合によっては可能です。
一般的にマルテンサイト系は焼き入れで硬度を上げることは可能ですが、それ以外は一度軟化させると元に戻すことは出来ません。
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銅材料の硬度を下げることは可能ですか?
基本的には、可能です。
銅材料の一般的な硬さ表記、1/2Hや1/4HをO材(なまし材)の硬度であれば、下げることが可能です。
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熱処理後に酸洗の必要はありますか?
雰囲気熱処理であれば必要ありません。
雰囲気熱処理では酸化を防ぐため表面色がすることはありません。特に、水素ですと酸化還元で光沢が戻ります。
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極細な部品でも熱処理可能ですか?
対応可能です。
対応可能です。熱処理・水素還元技術ナビでは、材質や温度にもよりますが、25~50µmまで熱処理の実績がございます。
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薄板の熱処理は可能ですか?
対応可能です。
純鉄・パーマロイ・パーメンジュールなどは0.1mm、サイズにより50µmまで変形せずに熱処理可能です。
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コーテイング材の熱処理は可能ですか?
対応可能です。
熱処理・水素還元技術ナビでは、コーテイング材の熱処理実績が多数ございます。不活性ガスでの熱処理はご連絡いただければご対応いたします。
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メッキを拡散処理したいのですが可能ですか?
母材とメッキが高温に耐えられるものであれば対応可能です。
母材とメッキが高温に耐えられるものであれば対応可能です。条件を確認しますので、まずは一度ご相談ください。
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ステンレスの磁気焼鈍は可能ですか?
不可能ではございません。
クロム成分が多く含まれる材質が磁化した場合は熱処理で磁性を正すのは難しくなりますが、不可能はございません。まずは、条件をご確認いたしますので、ご相談ください。
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部品どうしがくっついてしまいます。原因を教えてください。
微細部品の場合、溶着防止措置をとっていないと部品同士はくっついてしまいます。
微細部品の場合、溶着防止措置をとっていないと部品同士はくっついてしまいます。また、容器に詰め込みすぎていた場合も溶着する原因になります。
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熱処理後に変色しました。原因を教えてください。
原因は複数考えられます。
炉内の雰囲気形成が不十分、冷却速度が早すぎる、設備の不具合などが考えられます。
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熱処理後は錆びやすくなりますか?
材質によって錆びやすさは異なります。
熱処理は金属特性を向上させるかわりに表面の不働態被膜を失います。そのため防錆処理が必要になる材質もあります。
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熱処理で変形しますか。
熱処理によって変形する可能性を0にすることは難しいとされています。
ほとんどの材質は膨張しますので変形する可能性はあります。軽減させる方法もありますのでご相談ください。
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光輝焼鈍BAという表記はどのような意味ですか?
光輝焼鈍BAは、金属表面の変色を防ぐ熱処理です。
光輝焼鈍BAは、金属表面の変色を防ぐ熱処理です。水素雰囲気中でおこなうと還元作用も働き表面が輝く仕上がりになります。
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露点とはどのような意味ですか?
ガス中の水蒸気が水になる温度です
ガス中の水蒸気が水になる温度です。露点計という装置で温度の測定をします。
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アルゴンガスでの熱処理はどのような時に使用しますか?
さまざまな材質の熱処理に使用されています。
アルゴンガスは、ガスの中でも非常に安定しているガスのため、さまざまな材質の熱処理に使用されています。その分、還元反応はありません。
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窒素雰囲気の熱処理はどのような時に使用しますか?
窒素雰囲気の熱処理は、水素脆化のある材質やコーティング素材などで使用されます。
窒素は無酸化状態を形成する不活性ガスです。そのため、水素脆化のある材質やコーティング素材などで使用されます
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粉末の熱処理は可能ですか?
粉末の熱処理を行うことは可能です。
各種ガスを微量に流し続ける雰囲気炉は粉末を処理するには適しています。微細粉末の還元処理には水素を使用することが出来ます。
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水素雰囲気熱処理とはどのような熱処理ですか?
炉内を空気から水素と置き換えて行う熱処理です。
炉内を空気から水素と置き換えて行う熱処理です。水素は還元力があるため金属表面を元の輝きに戻します。
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保磁力A/mという表記はどのような意味ですか?
磁化された磁性体が元の状態に戻すために必要な外部磁場の強さを表しています。
磁化された磁性体が元の状態に戻すために必要な外部磁場の強さを表しています。。数値が小さいと高機能材料として使用されます。
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析出硬化とはどのような熱処理ですか?
固溶化された材料の母材と対比する材質を表面層で硬化させる熱処理です。
固溶化された材料の母材と対比する材質を表面層で硬化させる熱処理です。時効硬化処理とも呼ばれます。
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固溶化とはどのような熱処理ですか?
金属の合金元素を溶け込む温度まで上げる熱処理です。
金属の合金元素を溶け込む温度まで上げる熱処理です。急冷すると常温でも金属特性を維持します。
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磁気焼鈍とはどのような熱処理ですか?
加工によって起こった内部歪み(磁化)を元に戻す熱処理です。
加工によって起こった内部歪み(磁化)を元に戻す熱処理です。焼きなましと同じく軟らかくなります。
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応力除去とはどのような熱処理ですか?
加工や溶接などで起こった内部応力を除去する熱処理です。
加工や溶接などで起こった内部応力を除去する熱処理です。完全焼きなましより低い温度になります。
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焼きなましとはどのような熱処理ですか?
熱することで結晶組織が均一になって軟らかくなる熱処理です。
熱することで結晶組織が均一になって軟らかくなる熱処理です。焼鈍(しょうどん)とも呼ばれます。
熱処理条件
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SUS440Cの磁性を熱処理で消磁することはできますか。
焼きなましにより磁性を取ることは可能ですが、焼鈍時間に比例するほど磁性を落とすことは難しくなります。
また1%前後の炭素を失うことになりかなり錆びやすくなってしまいます。再度焼入れを行ったとしても焼鈍していないものに比べると硬くなりにくくもなります。
また、精度の高い部品に加工したあとですと、ほぼ変形してしまうこともあります。 -
応力除去焼鈍の冷却方法について教えてください。
鉄の場合は冷却は限りなくゆっくりと行います。
質量にもよりますが、少なくとも12時間は有することになります。ステンレスや非鉄などは適切な温度を保持することでその後の冷却時間を管理する必要は現段階では無いと思われます。
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雰囲気ガスは加圧状態で使用するのでしょうか。
雰囲気ガスの圧力は固定した数値で使用しています。
大気圧の数倍程度となり、その設備の大きさや台数によって異なるため、何Mpaですとのご連絡は行っておりません。ご了承下さい。
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インコネルの析出硬化処理の温度が知りたいです。教えてください。
インコネルの析出硬化温度は750-X 710°C 最大20時間。718 720°C最大8時間→620°C10時間で酸化雰囲気でないことになります。
詳しくはご相談ください。
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磁気焼鈍対象がメッキ処理してある場合はメッキ剥ぎの前処理が必要でしょうか。
鍍金の種類により異なりますが、無電解ニッケルメッキの場合は膜圧が薄くなります。
クロメートや銅下のメッキの場合は剥離をしないと製品同士で溶着したり、治具にくっついたりします。磁気特性自体の数値に変化はありませんが、再度鍍金を行うのは難しくなると思われます。一度鍍金を剥離、磁気焼鈍、最鍍金が良いと思われます。
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黄銅の再結晶温度を教えてください。また黄銅の熱処理温度は何度ですか。
再結晶温度について、ですが部品の大きさ、加工の手順、亜鉛と銅の比率によって異なります。
300℃前後から変化が出るものとして、その結晶を確認していくことになりますが、この作業は各都道府県にある産業技術センターなどの協力が必要となることと思われます。
黄銅の熱処理温度は300°Cから400°C 加工ひずみ取り〜焼きなまし、400°Cから450°C 完全焼きなましが多くなります。400℃から上の温度帯は亜鉛が反応するため、熱処理後若干色の変化が起こり、錆びやすくなってしまいます。こちらもサイズ、加工方法によって温度が大きく変わりますので、最も良い温度まで試作を行って決めていきます。
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窒素ガスの露点を下げるにはどうしたらよいでしょうか。
こちらでは液化窒素を使用しています。
一般の工業用ガス瓶での露点を下げる装置もあります。どちらも設備投資が必要となるので安価ではありません。割高にはなりますが、ガスメーカーに別途発注すると露点管理のされたガスを購入することが可能です。
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磁気焼鈍と窒素雰囲気の相性について教えてください。
磁気焼鈍は処理条件通りに行うことにより、加工により発生した内部歪みを整えること、再結晶化させ磁気特性を向上させるのが目的です。
使用するガス=雰囲気はその材質にあったものを選定します。磁気焼鈍を行う目的の材料になると、純鉄もしくは鉄ベースの合金が多くなるので、酸素はなるべく無い状態が良いと思われます。
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磁気焼鈍の処理温度について教えてください。
鉄800-900°Cパーマロイ 1050-1150°Cの要求が多くあります。
詳しくはご相談ください。
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応力除去焼鈍処理の温度について教えてください。
材質や加工により異なります。
オーステナイト系ステンレス鋼 304 粗加工後の例ですと、900°C〜1000°C 保持 30分〜1時間 急冷などがあります。鉄や鋼はそれより低くなることが多いようです。
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錆とりは何度で行えばよいでしょうか。
水素還元域以上の温度になりますので、鉄鋼ならば800℃以上、合金なら1000℃以上になります。
水素還元域以上の温度になりますので、鉄鋼ならば800℃以上、合金なら1000℃以上になります。
ただし、軟化します。また深い錆の場合は完全には無くなりません。
水素還元でなく除去するには酸洗、化学研磨、バフ研磨、など表面処理には色々な方法があります。 -
600°Cまで炉冷して600°Cから急冷するのはなぜですか。
45パーマロイの場合、この条件が重要です。
磁気特性の影響が少なく、鉄成分の赤みがなくなっている温度からは冷やしても磁気特性には問題無いためです。
78パーマロイはニッケル成分が多いので時間のかけられる限り、ゆっくり冷やすほうが磁気特性は向上します。近年ではパーマロイの種類やメーカーによって独自の配合があるので条件は一律ではなくなってきてもいます。
あとは熱処理コスト=時間に比例するのでそういった部分も入っていることもあります。 -
溶体化処理の昇温速度について教えてください。
溶体化処理に昇温速度の規定は特にありません。
オーステナイト系ステンレス鋼の場合、降温時に700-400℃をゆっくり冷やしてしまうと金属特性(ステンレスの良い部分)が落ちてしまいますので急冷が必要となります。
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銅C1100P-1/4Hの熱処理・銅C1100P-1/4Hの熱処理方法について教えてください。
形状と使用目的によって温度が異なります。
加工硬化の応力を取る場合 250°C前後。なまし材程度まで軟化させる場合 300°C前後になります。一度熱を加えると元の硬度には戻せませんのでご注意下さい。
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純銅の加工硬化の歪み取りの条件を教えてください。
形状にもよりますが、300℃前後から試験を行うのが良いかと思われます。
上限は400°Cになります。
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酸化スケールについて教えてください。
水素還元で取り除くにはスケールの厚みなどにより限界があります。
温度を上げることにより還元力を高めるため、材質より金属特性の劣化や軟化がおこります。また、不純物の付着(特に油分など)か時間によって酸化した場合は水素還元による除去はほぼ出来なかった実績があります。
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SUS430の磁気焼鈍を行う場合に加熱時間は重要なのでしょうか。
430も80%は鉄なので純鉄と同様に保持時間は3時間以上での処理を行った実績があります。
430も80%は鉄なので純鉄と同様に保持時間は3時間以上での処理を行った実績があります。
冷却時間も純鉄同様に炉冷時間を長くして処理を行いました。 -
SUS430の磁気焼鈍は、800~900°C、徐冷 とありますが、どういうことでしょうか。
磁気の方向性が揃わないことはありませんので、仕上がりの磁気特性数値で問題無いという場合でしたら、850℃保持時間1時間以上、炉冷速度100℃/h以下です。
クロムが析出するため全体的に緑っぽい色になります。耐食性が大幅に落ちるため、かなり錆びやすくなります。軟化硬度は165HV前後となります。これらをご承知お願いいたします。
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BeCu材への処理は可能でしょうか。処理温度は350度ほどです。
ベリリウム銅は水素脆化の可能性があるので通常は窒素雰囲気で処理を行っています。
一部水素脆化が起こらないベリリウム銅もあるようですが、影響がなく酸化を抑えられるので窒素雰囲気が確実かと思われます。
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インコネルの析出効果の条件やインコネル718の析出硬化条件について教えてください。
720°C8時間→620°C10時間が多く要求のある条件となります。
K温度を℃に変換しているため温度表記は他の情報と異なることがあります。
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析出強化において効率的に高強度化させるためには、どのような時効処理を行えばよいですか。
SUS630などの場合、硬度条件により処理温度が分かれています。
またインコネルも種類と材料生産時の工程により熱処理条件が分かれています。ほとんどの条件詳細はメーカーのホームページなどで公開されています。
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78%パーマロイの最適熱処理条件パーマロイ薄い箔(0.02×30×100mm)1枚の熱処理をお願いした場合のお見積額を教えてください。
1100℃ プラスマイナス20℃ 3時間以上徐冷 水素雰囲気中 の条件依頼が最も多くなります。
お見積りは問い合わせフォームからお願いいたします。0.02パーマロイ箔の処理実績が無く、ご希望の結果にならない可能性があります。
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アルゴンを使用した熱処理に対応していますか。
アルゴンを使用した熱処理も可能です。
水素を吸蔵するチタン、コーティング被膜のある材料、アモルファス合金などはアルゴンでの処理依頼となります。
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SKD11完全焼きなましに対応していますか。
処理は可能ですが、サイズに上限があります。
メーカー数値ですと完全焼きなましで260HV程度となっています。
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熱処理時に使用するガスはどのぐらいありますか。
ベースのガスは 不活性 窒素 アルゴン還元性 水素 浸炭性 一酸化炭素 などがあります。
コストを抑えるため他のガスから電気分解して生成する変性ガスもあります。熱処理工業用炉メーカー様のウェブサイトではかなり詳しく紹介していると思います。
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焼鈍時にゆっくり冷やさず急冷した場合どうなりますか?
鋼の場合で歪みや応力を取りたい場合、取り切れなかったり元以上に応力が発生する可能性が高くなります。
磁気焼鈍の場合ほとんどの部品が精密部品になるため変形し、再結晶化した内部に微量の炭素が入りやすくなる(といったイメージです)ため磁気特性が要求する結果にならなくなります。
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焼きなまし処理の温度について教えてください。
材質によって異なります。
一般的な軟鉄ですと600から800℃の間で使用目的により温度を選定していきます。
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ステンレスの残留応力をなくすにはどうしたらよいか、教えてください。
オーステナイト系ステンレス鋼になりますが、完成品手前で熱処理を加えることで応力を緩和することが出来ます。
その後の加工にもよりますが900〜1010℃の間で試すのが良いかと思われます。完成品の状態では効果が無く、精密な加工部品では望む応力緩和ならない場合もあります。
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快削黄銅の熱処理について教えてください。
応力除去焼鈍〜焼きなまし〜完全焼鈍300℃〜400℃〜450℃ 保持時間は任意。
雰囲気は不活性ガス 温度が上がるにつれて亜鉛が析出するためやや変色します。
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SUS630を荒加工後に固溶化熱処理と析出効果処理を施しH1025にすることができるのでしょうか。
析出は表面硬化処理と同じ深さ程度になりますので完成加工後に行う処理になります。
荒加工後ではその特性は出にくいと思われます。
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磁性焼鈍の冷却毒度について教えてください。
すべての材質において、保持後100℃/h前後の支持が多いと思われます。
詳しくはご相談ください。
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SUS316Lの低温焼きなましの温度範囲は何度でしょうか?
316Lではありませんが304CSPの場合ですと300℃以上400℃以下が多く依頼されます。
固溶化という完全焼きなましではない、焼きなましの場合は900℃指定がほとんどになります。
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材質はSUS304でサイズは400mm×400mm×400㎜以内で、板金加工後にファイバーレーザー溶接した構造物、数量1台を熱処理した場合の金額と納期を知りたいです。
申し訳ございません、有効寸法が300x300までとなっております。
詳しくはご相談ください。
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炭素を水素雰囲気下で1000℃で熱処理したらどうなるか教えてください。
粉末、固体ともに赤熱し炭化すると思われます。
一般的な工業炉では処理することは難しいかもしれません。
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ハステロイの焼鈍について教えてください。
1100℃急冷が多く依頼されます。
1100℃急冷が多く依頼されます。サイズ厚みによっては1150℃もあります。
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無酸素銅の応力除去焼鈍について教えてください。
無酸素銅の場合ですと応力のみを取ることは難しく、熱処理をすると軟かくなってしまいます。
厚さにより異なりますが180℃位から軟化しますので低い温度からテストして良い状態を探していく方法になると思います。
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S10Cで磁気焼鈍で磁気が抜けないので850℃→900℃(再焼鈍)まで 上げたところ2.2%しか下がらないので950 or 1000℃まで上げても大丈夫でしょうか?
S10Cですと磁気焼鈍を行ったとして2%前後の保磁力変化となります。
そのため、磁気焼鈍としては正しい処理を行われているとおもわれます。磁気焼鈍温度以上に上げていくと炭素が鋭敏化しやすくなり磁気特性は劣化してしまいます。
ヒートパターンに問題はありません。材質を低炭素の鉄に変更するか、真空熱処理ではなく
水素雰囲気熱処理に変更して脱炭作用がどれだけ働くかを試験してみるのも良いかもしれません。 -
SUS430の抗磁力を下げる磁気焼鈍は何度ぐらいで処理するのが適切ですか?
850℃以上900℃未満が良いと思われます。
クロムが入っているので若干緑かかるのと、磁気特性は鉄系と比べると劣ります。ただし、硬度は倍以上の硬さを維持できます。
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焼鈍時間について教えてください。
材質と部品の使用目的、その炉への投入量によりことなります。
磁気焼鈍、時効硬化と異なり推奨時間が決まっておらず、相互で取り決めることが多くあります。
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還元温度について教えてください。
鉄の場合ですと800℃から900℃位になります。
鋼や合金を温度だけで還元するのは難しくなります。
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ファンで風を当てて冷却しても徐冷と言えますか。
鉄などの焼鈍の場合、処理温度から300℃程度下がるまでは炉冷になります。
処理温度からすぐにファンなどで強制的に冷却すると徐冷にはなりません。
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インコネル718の熱処理条件について教えてください。
こちらで依頼を受ける多い条件は720℃8時間保持から炉冷のまま620℃へ10時間保持になります。
全て雰囲気で行いますが、表面色は若干の変化が見られます。
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昇温温度について教えてください。
熱処理設備の能力により異なります。
当社の設備ついて詳しくはご相談ください。
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材質「C1220P O材 0.4×365×1200」ない場合は「1/4H材をナマシをしてO材」加工サイズ 30×55×0.4t、数量 1000枚(材料4枚分)の処理は可能でしょうか。
熱処理炉に投入可能なサイズは最長650mmまでになります。
切断品の場合、複数バッチになりますが熱処理は可能です。
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SUS630の析出硬化処理の温度条件について教えてください。
JIS規格480℃1時間になります。
温度を上げることにより、硬度の調整が可能になります。
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無酸素銅の焼きなまし条件について教えてください。
250℃から軟化が始まり、350℃くらいまでです。
ガスケットやパッキンなどの部品では450℃上限。これ以上の温度では脆くなります。
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SUS310Sを固溶化熱処理後、耐力:550以上、引張強さ:510以上、伸び:30以上,硬さ:220HBW以下を確保することは可能でしょうか。
SUS310Sは供給状態で固溶化熱処理済みになります。
金属特性はいただいた内容を確保しています。
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銅合金での真空熱処理(アルゴン雰囲気)500℃を希望しておりますが、対応して頂く事は可能でしょうか。
銅の処理を全工程アルゴン雰囲気で処理することは可能ですが、真空炉ではなく雰囲気炉になります。
銅の処理を全工程アルゴン雰囲気で処理することは可能ですが、真空炉ではなく雰囲気炉になります。真空に引くポンプ装置はありません、ご了承下さい。
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銅の焼きなましは通常何時間熱処理しますか。
狙いの硬さにより異なります。
銅パッキン等は300℃程度、ガスケットなどは400℃程度です。一度高い温度で熱処理すると硬さを戻すことはできなくなりますので、低い温度から試していくのが良いと思います。
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熱処理後に溶接する場合、どの雰囲気で実施するのが理想的ですか。
酸化せずに熱処理を行うほうが良いので、水素、窒素などになります。
詳しくはご相談ください。
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銅めっきを純銅にするために熱処理するには何度での熱処理が望ましいですか。
弊社では熱処理で金属などの溶解処理は行うことが難しいです。
銅めっきを純銅とめっき液を分離することはめっき液の会社様にお問い合わせ下さい。
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磁気焼鈍のヒートパターンはどのように決めるものですか?
その材質の磁気特性を重視する傾向にあるため、パターンが厳密ではありません。
例えば純鉄の熱処理の標準的なパターンですと、昇温、設備の性能に任せる。保持3時間程度、冷却550℃までは炉冷、150℃時間以下で下げていく。以後は空冷を行います。
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水冷しているパイプに材料を流しているが、水冷の適正温度がよくわからないです。教えていただけますでしょうか。
直接水冷を行うアルミや焼き入れに関しては、各熱処理会社により異なります。
また、間接水冷を行う焼きなましの場合でも違いがあります。更に材質、サイズ、熱処理の種類によっても違いがあります。そのため、水冷の温度が一定である基準値というものが存在しません。
熱処理トラブル
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SUS304板材φ300x9Tの切削加工をしているのですが、材料ロットごとに加工後の歪が大きく出るものと出にくい物とバラつきがあり困っています。加工歪が出にくくなる熱処理というものもあるのでしょうか?
こちらは軟化処理が該当します。
900℃前後、ただし、微量のクロム析出が起こるので表面近くが若干青緑にはなります。低温脆性温度域では処理しないので錆びやすくなるということもありません。歪みは温度と関係することがありますので、材料の切断方法など様々な要因が考えられます。
応力を除去する軟化処理ですが、加工率200%を超える場合は厳しくなります。例えると10tを5わtまで冷間圧延した板材の応力は熱処理でも取ることが出来ない、となります。9tを4.5tまで仕上げた後に熱処理で応力を取るのは困難となります。
ただし、軟らかくもなりますので加工工程の変更が必要になる場合もございます。試作対応も可能ですので、ご相談ください。 -
銅板t10×260×260を加工したら0.8中心がへこんでいる時、どんな熱処理をしたらよいでしょうか。
銅材にもよりますが荒加工→応力除去(焼きなましより下の温度)もしくは材料段階で焼きなましを行う必要があります。
荒加工後は硬化しているので適切な温度を探るのがやや困難で、材料段階での焼きなましはねばりがある為加工が難しくなる可能性もあります。銅は温度を上げすぎると軟化を戻せなくなるので参考値より下の温度で行うことが良いと思われます。
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熱処理の汚れについて教えてください。
原因は主に2つあります。
①酸素があることによる酸化
表面が焼け焦げたようになります。ステンレスなどは緑や青になることもあります。
②油分残りの焼き付け
金属表面に油がついていると密封された炉内では蒸発することがなく拡散し、熱処理後の冷却段階でまた部品にくっついてしまうことがあります。その場合、時間を経て茶色などに変色します。 -
純鉄の錆び易さは、焼鈍しても変わりませんか。
純鉄の錆について錆たものを水素ガス中で熱処理すると、錆びは薄くなります。
ただし、熱処理した鉄は、そのまま放置しておくと熱処理前より錆びやすくなってしまいます。熱によって不動態皮膜というものが無くなってしまうからです。鉄を錆びから守るには、ベタベタしますが油をつけるのが最も防げると思いますす。
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SUS304に応力除去焼なまし(HAR)処理をしたブロック状の部品を 酸洗いしたところ表面がザラザラに荒れてしまいました(ひどいところは凹凸状に模様)。 熱処理の影響でそういったことが起こることはありますか?
熱処理後の酸洗での肌荒れですが、起こる可能性はございます
要因として、ひとつに熱処理の雰囲気もしくは真空度が悪かったため、酸化が進んだ。ふたつめに、酸洗の酸濃度が高すぎた。になります。
SUS304の場合、18クロームになりますので、酸素とはとても結びつきやすい材質とも言えます。また、応力除去の場合は固溶化熱処理に比べ、温度が低く、雰囲気もしくは真空度の調整は難しくなります。大気での熱処理は肌荒れがより激しくなり、酸洗後はご連絡いただいた通り凹凸が激しく目立つ形となります。修復するには研磨などになるとは思います。よろしくお願いいたします。 -
脱炭の対策について教えてください。
一番は真空焼入れが対策にとして有効です。
ただし、材質などに制限がある場合もあります。
次はガス浸炭を行う、ソルトバス方式など空気になるべく触れない状態で行う、などになります。各社でノウハウがあり、詳細までは不明ですが、真空=酸素濃度 ガス浸炭=カーボンポテンシャル ソルトバス=作業工程 に各社持っているものと思われます。 -
ハステロイはどんな環境で変色・腐食されますか。
ハステロイの変色について、ですが高クロム配合になるため熱処理を行うと若干の酸素でもやや変色します。
酸化とは異なるためスケールといった焼け焦げが金属表面に発生することはごくまれかと思われます。
腐食については販売会社もしくはメーカー様のウェブサイトなどを確認されたほうが良いかと思われます。こちらで分かる範囲でいえば、自然に放置しておいて腐食したものを目視で確認したことはありませんので、相当腐食には強いのではないかと思われます。 -
C1100を光輝焼鈍しています。280℃で処理していますが、赤茶色に変色してしまいます。炉を出る時は問題がありませんが、しばらく置いて置くと、徐々に変色するのですが、原因を教えてください。
酸化反応での変色になります。
油分が残ったまま熱処理をしている。ガス雰囲気が安定していない。取り出し温度が高すぎる可能性がある。保管場所が多湿環境である。
これらが原因として考えられます。 -
SUS304を焼鈍したら緑になりました。原因はわかりますか。
成分のクロムが析出したときに酸素と結びついたものです。
原因は酸素分が多い状態で熱処理を行った。もしくは熱処理温度が500°Cから900°Cの間で行った。それ以外ですと、油分などの不純物がついていたことも要因となることがあります。
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SUS430の変色について教えてください。
ステンレスの変色はクロム成分が酸素と結びついて起こる現象です。
水素中ですと水素の露点がマイナス40℃以下であること、真空中ですと真空度10マイナス3乗トール以下であることとなっております。(真空度に関しては別途真空炉メーカー様や設備保有の熱処理会社様へお問い合わせ下さい)この条件下で熱処理を行えば変色することは少なくなります。
また適切な温度条件でない場合、500〜900℃の熱処理を行うと変色する率は高くなります -
SUS630の析出硬化処理で硬度が出ない原因について教えてください。
通常、雰囲気もしくは真空中で480°C前後、1時間保持でHV400程度となります。
保持時間が長すぎたり、温度を高くするにつれ硬度は低くなりますが、これには規格があるのでご存知かとおもいます。
ビッカースで測定の場合は300-10secで測定されているようです。それ以上の加重ですと析出硬化層より深い箇所を測定していることになるので硬化前の一般的硬度HV300前後の数値になると思われます。 -
ステンレスは何で700℃で緑になるのか教えてください。
成分てあるクロムが表面に出ようとすることと、ごく微量の酸素が結びつくことで緑っぽくなります。
700℃でなくとも酸素がある条件で熱処理をすると緑色の表面色になります。
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ステンレスの熱処理で、ステンレスは腐食しているのですか。
固溶化処理、1100℃で行うものはステンレス特性の錆に強い合金になります。
それ以外の温度でいうと、900℃以下などでゆっくり冷ましてしまうと錆に強い成分がなくなってしまうため、劣化が早くなってしまいます。
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c2700材を焼鈍したら変色しました。原因を教えてください。
銅の変色はガスなどで空気を追い出した状態で熱処理を行わないと変色します。
もしくはガス中で熱処理をしても変色した場合は、取り出す温度が高すぎるか、油などが付着したまま処理を行ったかになります。
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水素脆化が起きるとクラックが発生しますでしょうか。BeCuに対して窒素雰囲気で処理してもらったことがあるのですが、赤っぽくなってしまいました。
変色は油分が残っているか、ガスを止めるもしくは取り出すのが早いかだとおもわれます。
詳しくはご相談ください。
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熱処理によって透磁率は低下することはありますか。
熱処理の手法によっての透磁率の低下のお答えにならないかもしれませんが、再結晶化温度での熱処理、磁気焼鈍が正しく行われていれば高透磁率材料の数値に近い結果が出ます。
それよりも望ましくない結果の場合はどこかの段階で磁気焼鈍が正しく行われていないか、とても複雑で高精度な部品に加工してあるかも考えられます。
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溶着を防ぐ方法について教えてください。
ニチビウールなどを使用することが多くあります。
製品情報などはニチビ様のウェブサイトをご参照下さい。
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熱を加えると劣化しやすくなるのでしょうか。
すべての材質ではありませんが、材料の段階では不動態皮膜というものが表面にあります。
そのため錆びにくくなっていますが熱処理ではその皮膜が失われてしまうため、錆やすくなってしまいます。強度に関しては材質により異なります。熱処理により何かを得た分だけなにかしらは失われてしまいます。
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SPCCに浸炭焼き入れを行った後に磁気焼鈍を行う事での懸念点はありますでしょうか
浸炭焼入れ行ったあとに磁気焼鈍処理を行いますと脱炭作用が起こり、浸炭した炭素が失われてしまいます。
そのため軟化する可能性があります。加えて炭素が残ることによって磁気焼鈍をしたとして磁気特性が高くなる可能性もあります。
加工硬化したSPCCの加工歪みを焼鈍で安定化させ、その後表面硬度を上げるため浸炭焼入れを行うというご依頼はあります。 -
熱処理で微細加工部が溶ける事はありますか? ※刻印用の文字(1㎜程度の数字アルファベット)
材質にもよりますが、熱処理会社に依頼したのであれば温度ミス以外で溶けることはありません。
溶けるとすれば低融点金属になりますので、錫、アルミ、銀、金、銅くらいまでになります。鉄などでは薄いものは見えにくくなることはありますが、消えてしまうことはありません。
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磁気焼鈍処理時の寸法変化を最小限にする方法はありますでしょうか?
磁気焼鈍での寸法変化ですが、微細な変化はほぼ発生してしまいます。
完成手前で一度熱処理を入れるか、完成後に精密研磨で仕上げるか、熱処理の変形すること想定した加工を行うかになります。加工会社の技術力が反映されると思います。
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熱処理した鋼材錆が出ました。錆除去のため、酸洗いしていいですか。また鋼材の硬度に影響がありますか。
処理後に錆が発生したとの事ですが、鉄を酸洗するのは困難だと思われます。
酸洗後に中和させなくてはならないのでどうしても水分に触れてしまうためです。物理的に研磨する方法でしたら硬さが変わることはありません。
手が届かないような繊細な部品の場合は化学研磨がありますが、窒化や焼入れの場合、
炭素鋼によっては硬さが変わってしまうかもしれません。もう一度熱処理を行って錆を取る方法は焼きなまし処理を行う場合でかつ、繊細な部品でないことと、水素でも問題がないことで条件がかなり限られてしまいます。 -
ステンレス材の固溶か処理で表面は酸化して黒くならないのですか?
サーマル化工では水素雰囲気中で行うので変色せずに固溶化処理を行えます。
水素以外ですと真空中での処理になります。
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磁気焼鈍は、保持力が高すぎた場合、再処理で修正できますか?
磁性材 純鉄やパーマロイなどでしたら再熱処理で特性を上げることは出来ると思われます。
磁性材以外ではその効果はあまり得られない結果があります。
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鉄箔(SUY)を窒素雰囲気で熱処理した場合、鉄と窒素は反応してしまうのでしょうか
成分と反応することはありませんが、脱炭作用が弱くなるため磁気焼鈍としての特性には限度があります。
また表面は鉄の温度還元の作用が働くため曇りがかったグレーになると思われます。
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オーステナイトは急冷すると磁石に着いてしまうでしょうか。
正しく熱処理を行えばつきません。通常の熱処理は急冷になります。
適正な温度で無酸化状態であれば磁化することはありません。
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時効後の窒化前に常温状態で放置したら酸化が悪影響を及ぼしますか?
表面近くの合金を析出させ硬化する熱処理ですが、材質によりとても酸化しやすくなります。
そのため防錆処理無しで放置してしまうと次工程の表面処理時に不具合が生じることがあります。
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真空蒸着法でアルミニウム膜を成膜したら黒っぽくなりました。酸化が原因ですか。
結論付けにはなりませんが、真空のチャンバーに不具合が発生しているのではないかと思われます。
詳しくはお話を聞かせてください。
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酸化を防止する方法について教えてください。
熱処理を行う上では、各種ガスで空気を追い出し、 その後も完了するまでガスを絶やさないことです。
真空熱処理でも同じことが言えます。冷却時は特に注意が必要です。
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材料溶着はどのように対策したら良いでしょうか。
ほとんどの材料で熱処理を行うと溶着します。
溶着防止はその会社ごとに異なりますが、弊社では開示しておりません。
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ステンレスの熱処理について、「ステンレスの場合、微量の油分で変色します。」と記載がありますがあ、なぜ油があると変色するのか、理由を教えていただけないでしょうか。
弊社実績ベースになりますが、油分の沸点直後にクロムが酸素分と結びつく温度になるためではないかと思われます。
そのまま高温で熱処理しますが、仕上がりの時に光沢面と曇った面で差が出てしまいます。また雰囲気が油分で悪くなるため、ステンレスの還元域まで温度を上げたとしても、還元する時間が短いと全体的にくすんだ色に変色することが多々あります。
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脱炭現象を防ぐについて教えてください。
浸炭処理を行う方法があります。
材料によりカーボン量が決まっているため、全ての材料が可能ではありませんのでご注意ください。
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オーステナイト系の熱処理は収縮や膨張しますか?
オーステナイト系ですと収縮傾向が高くなります。
特に完成品ですと変形する場合があります。
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油の焼き付きについて教えてください。
焼鈍処理では事前に油を落とす前処理を行うことで対策が可能です。
雰囲気もしくは真空で焼きついた油は研磨などの表面処理で落とすことになります。
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99.9%水素でステンレス鋼帯の焼鈍を行っています。理想露点値―40℃で―30℃の時に鋼帯着色を起こします。-30℃の時に着色を起こした際に、 TV値(スピード)を下げたら着色が少なくなりましたがなぜ、着色が少なくなったのでしょうか?? ※鋼種SUS304、SUS301
着色するのは露点が高いためです。
処理を進めている時間が長くなると露点が良くなり着色が薄くなっていきます。マイナス45℃まで下がると着色しなくなると思います。露点を下げるには時間がかかります。
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SUJ2(鉄)に光輝熱処理を実施した場合、錆は発生しますか。また時間がたつと錆びてくるということはありますか?
不活性ガス中だとしても、錆びることはありません。
軸受け鋼になりますので、錆びたものを熱処理で光輝に戻すことは温度上出来ません。軸受け鋼は炭素量が多いので錆びやすい鋼です。十分に起こりうる現象です。
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熱処理した後、硬度にバラつきが出るのは何故ですか。
冷却が遅いため、残留オーステナイト組織があり硬さが足りないことが原因です。
冷却が遅いため、残留オーステナイト組織があり硬さが足りない。もしくは加熱温度が不十分が考えられます。
どちらも一度の処理に部品を入れすぎていると起こりやすい事例です。治具へ設置、炉内への設置は各会社によって設備ごとに異なりますので、その調整が必要になります。 -
SUS304のブロック材(50x100Xt20)mmに表面処理時に400℃に加熱するのですが、歪んだりしますでしょうか。平面度が重要なので教えてください。
304ブロックですと変化は乏しい温度になりますが、精度が厳しい場合は平坦の取れる治具に設置して熱処理を行うことで平面度を出すことができます。
弊社では治具はアルミナやカーボンを使用しています。詳しくはご相談ください。
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ステンレス鋼の熱処理時に水素ガスを使いながら熱処理を行うのですが、表面が酸化してしまいます。酸化を防止するためにどんな方法があるか教えてください。
熱処理温度が関係してきます。
1 オーステナイト系 1100℃前後以外はクロムが析出するため変色します。
2 露点が関係します。測定器が必要になるためコストがかかります。
3 炉内が酸化していると同様に酸化してしまいます。一度炉内を還元させてから処理を行います。 -
水冷温度が低すぎる事や一定で無いことが理由で色調、軟化度に変化はみられますか?
焼きなましの場合ですが、鉄系ならば温度は高くとも問題ありません。
ただし、SUS304の場合は急冷が必要となるため冷たくてはなりません。また変色することにも繋がります。
水冷温度を下げるにはチラーを使用することで対応可能です。または、冷却するときの質量を軽くすることで解決する場合もあります。
取引条件・流れ
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時効硬化処理の納期はどれくらいですか?
一例としてインコネル750の処理時間は約30時間になりますので、最短でも3営業日となります。(月曜処理開始の場合で水曜発送可能です)
一例としてインコネル750の処理時間は約30時間になりますので、最短でも3営業日となります。(月曜処理開始の場合で水曜発送可能です)
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焼鈍処理の納期はどれくらいですか?
銅・アルミ・真鍮で2営業日(月曜に支給水曜発送可能)ステンレス、特殊鋼では2~3営業日となります。
銅・アルミ・真鍮で2営業日(月曜に支給水曜発送可能)ステンレス、特殊鋼では2~3営業日となります。
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磁気焼鈍処理の納期はどれくらいですか?
純鉄系で3~4営業日、パーマロイで4~5営業日になります。
純鉄系で3~4営業日、パーマロイで4~5営業日になります。試作、開発案件は別途ご相談ください。
検査
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硬度の管理は可能ですか?
硬度測定設備はマイクロヴィッカースになります。
硬度測定設備はマイクロヴィッカースになります。40×40程度のサイズまでなら測定可能です。
対応可能な条件として、焼鈍もしくは焼入れを社内で処理した部品のみとなってます。 -
露点管理は行っていますか。
水素ガス出口側での測定は要望がある場合のみ行っております。
処理内容や材質により異なるため、基準数値を設けてはおりません、ご了承下さい。計測には別途費用を要します。
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熱処理の品質保証はどのようにされていますか。
磁気焼鈍:温度チャートと保磁力測定。焼きなまし:温度チャートと硬度測定になります。
詳しくはご相談ください。
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試料本体の温度を測定することは可能ですか?
不活性ガス(窒素など)で測定することは実施可能です。
不活性ガス(窒素など)で測定することは実施可能です。水素の場合は熱処理条件によって炉体を変えることで可能になります。
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保磁力の測定は可能ですか。
保磁力HCの測定は社内で可能です。
保磁力HCの測定は社内で可能です。テストピースの作成でヒステリシス曲線の測定も可能です。
その他
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納期について教えてください。
処理内容により異なります。
通常の鉄を磁気焼鈍の場合は2営業日以上となります。月曜着として仕上がりは水曜日になります。これは受け入れから前処理、治具付け、条件、梱包仕様条件の決まっている場合です。新規案件などは数週間から数ヶ月の時間を要します。
条件通りで仕上がりの状態は不問という場合はお受け出来ません。 -
どのような熱処理ができますか。
水素、窒素、アルゴンによる雰囲気熱処理。
真空、混合ガスは不可。焼鈍、磁気焼鈍になります。軟窒化、窒化は不可。焼入れは材質によります。
サイズ、温度上限などは別途問い合わせフォームへ、折り返しご連絡となります。 -
水素炉を設置する場合、消防への届出は必要になりますか。
都道府県により異なりますが、所轄の消防署への届け出が必要となります。
これは販売会社様のご協力の元、管理者を設置しています。
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磁気焼鈍の納期はどのくらいでしょうか。
鉄系 850℃3時間で3営業日 パーマロイ 1100℃3時間で5営業日です。
形状や特殊条件により異なりますので、詳細は問い合わせフォームよりご連絡いただけると助かります。
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カーボンノヒーターは使用していますか?
サーマル化工では金属ヒーターになります。
サーマル化工では金属ヒーターになりますので、カーボンは使用しておりません。
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連続炉はありますか?
連続炉を保有しています。
ただし投入サイズに限りがありますので処理に関しては別途ご連絡ください。
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熱処理にどのようなガスを使用することができますか?
水素・窒素・アルゴンが基本設備となります。
水素・窒素・アルゴンが基本設備となります。各種ガスをベースに混合ガスをオーダーすることも可能です。
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長時間の熱処理は可能ですか?
最長で100時間の処理に対応可能です。
熱処理・水素還元技術ナビを運営するサーマル化工株式会社では、月から金まで24時間連続稼働を行っております。そのため、最長で100時間の処理に対応可能です。